ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の調査によると、COVID-19パンデミックによる外出自粛に伴ってホームオフィスやオンライン授業向け需要の急増、ドル高の為替の影響で、2020年6月のノートブック価格の値上がり幅は前月比1.73%増加、2013年9月の値上幅1.79%に次ぐ記録で過去7年間で最高の値上がり幅を記録している。今年6月の過去12か月間のインフレ指数の消費者物価指数(IPC)は4.2%と2016年10月の4.69%に接近している。
ドルの為替が高止まりで部品の大半が輸入品で為替の影響を受けやすく、また今後もホームオフィス形態システム導入によるノートブック需要の継続で今後のノートブック価格は高止まりするとジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)エコノミストのAndré Braz氏は指摘している。
今年1月1日から3月22日迄のノートブック販売は前年同期比22.0%増加、3月23日から4月19日迄は26.0%増加、4月20日から6月28日は93.0%と約倍増している。
今年1月のコンピューターや周辺機器の小売販売価格は前年同月比0.76%増加、2月はマイナス0.45%、3月はマナイス0.09%を記録していたが、COVID-19パンデミックでホームオフィスやオンライン授業の増加に伴って4月は0.69%増加、5月は1.15%、6月は1.73%増加している。
ノートブックメーカーのLenovo社並びにSamsung社の4月以降のノートブックの売上は二桁台の伸び率を記録、ブラジル国内のノートブック市場規模は年間60億レアル~70億レアル。ブラジル電気電子工業会(Abinee)は、今年のノートブック売上を前年比6.0%~7.0%増加を予想している一方で、電気電子業界の売上は昨年を下回ると予想している。
Lenovo Brasil社のRicardo Bloj社長は、ノートブックの部品の95%は輸入品であり、レアル通貨に対するドル為替が一時6.00レアル近くに達したために、最終消費者への価格転嫁を検討していたが、今後の為替は安定すると予想している。
COVID-19パンデミック開始の今年3月第2週以降のノートブック需要は、企業のホームオフィス形態導入で前年同月比19.0%上昇、4月の需要は減少したが、5月の需要は上昇に転じている。
サンパウロ州カンピーナス市並びにアマゾナス州マナウス市にノートブック工場を擁しているSamsung Brasil社の3月中旬から6月初めのノートブック販売は1月初めから3月上旬比では26.0%と大幅増加している。