2020年上半期の連邦政府の財政収支は、COVID-19パンデミック対応の臨時救済政策関連の歳出増加並びに歳入減少で4,172億1,700万レアルの赤字を計上、統計を取り始めた1997年以降では最大の赤字を計上、昨年は見半期は293億1,100万レアルの赤字であった。今年の財政収支は8,000億レアルの赤字が見込まれている。
今年上半期の国庫庁の歳入は前年同期比18.1%減少、この期間の交付金などの前払いは813億レアルに達している。また金融取引税IOFは減税政策の導入で63億レアル減少していた。
一方、今年上半期の歳出は40.3%増加、COVID-19パンデミック対応策として予定の4,045億レアルの約50%に相当する2,106億レアルの臨時歳出を記録している。
新型コロナウイルス感染拡大対応で人的損害予防のための保健衛生部門や失業拡大防止などの緊急救済措置の天文学的な支出を余儀なくされる非常事態宣言(カラミダーデ・プブリカ)で、今年の中央政府の財政プライマリー収支は、連邦政府の予算基本法で定められた財政プライマリー収支の許容目標赤字1,241億レアルに収める必要がなくなっている。
今年6月だけで連邦政府の財政赤字は、1,947億レアルに達して過去最悪の月間記録を更新、昨年6月の財政赤字は118億500万レアルであった。
今年の連邦政府の対内債務残高は、パンデミック危機の影響でGDP比100%近くに達する可能性が否定できないが、2019年の対内債務残高のGDP比75.8%の20ポイント以上上回ると予想、2022年の対内債務残高は国内経済が回復しなければGDP比100%突破する可能性が見込まれている。