浜口氏(神戸大学経済経営研究所教授/当会議所が編者となっている2016年度版現代ブラジル事典編集長)は現在、学術振興会(JSPS)の支援を受けて、日本とブラジルの2国間関係に関する研究プロジェクトをブラジリア大学と実施、経済協力関係を担当。
これまで農業、資源に関連した開発案件や、公衆衛生・保健分野、環境分野の技術協力等については、先行研究や文献もあり、様々な情報があるが、戦後日本の経済発展にも大きな貢献があったと評価されている品質管理(TQC)に関して、日本とブラジルの間で交流があり知識の移転があったにも拘わらず、関連情報や文献がほとんどない中で、品質管理に関する日本とブラジルの交流について論文をまとめて、是非ともドキュメント化して行きたいと言う強い願いがインタービューの背景にある。
平田事務局長がロームブラジル勤務時代、日本のQCサークルの導入に尽力、その後も品質管理協会の役員を勤め、ブラジルにおける品質管理活動の啓蒙や普及を推進した事が、同教授のネット検索のトップに上がり今回のインタービューに応ずる事となった。今回は製造現場でドラッカーのXY理論とマズローの欲求5段階説を3次元的・時間的な組合せで最適化によるXY経営手法で生産性を20倍にアップ、不良率を10分の1減にした「1983年JUSE-ROHMブラジル発表資料」(1983年JUSE第16次QCサークルチームとの交流会)を基に説明、ブラジルに於ける日本直輸入のTQCやQCサークル導入活動の難しさ等、苦労話やエピソードを交えインタービューの時間は1時間45分に及んだ。
浜口教授
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