COVID-19パンデミックの影響で、2020年第2四半期のアルゼンチンの輸出額並びに輸入額が共にブラジルを抜いて中国が貿易相手国トップとなったが、今年下半期もこの傾向が予想されているために、今年のアルゼンチンの貿易額は中国がブラジルを抜いてトップになる可能性が予想されている。
今年6月のアルゼンチンの貿易相手国は、3ヶ月連続でブラジルを追い越して中国がトップを維持しており、6月の中国のアルゼンチン向け輸出額は前年同月比51.7%増加、一方ブラジル向け輸出は48.9%減少、6月のアルゼンチンのブラジルからの輸入は30.3%減少したが、中国からの輸入は10.8%減少に留まっている。
今年第2四半期のアルゼンチンのブラジルからの輸入額は、42.0%減少の16億ドルと2003年の11億ドル以降では最低記録。一方中国からの輸入額は23.0%減少の18億ドルを記録している。
前期同様にアルゼンチンからのブラジルへの輸出額は53.0%減少した一方で、中国への輸出は39.0%と大幅に増加してきている。
今年第2四半期のアルゼンチンと中国の貿易額は、ブラジルとの貿易額を10億ドル上回る29億ドルを記録、今年上半期ではブラジルとの貿易額は、72億ドルと中国との貿易額64億ドルを上回っている。
ブラジルからアルゼンチン向けの輸出の大半は、自動車並びにパーツを占めている一方で、中国からアルゼンチン向け輸出は、多岐にわたる資本財や付加価値の低い消費財が占めているとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は指摘している。
ブラジルとアルゼンチンの両国の貿易は、それぞれの経済状況に依存して減少している一方で、中国の食料品需要は継続して高止まりしており、アルゼンチンの輸出拡大に結びついている。
2019年第2四半期のアルゼンチンと中国の貿易額は38億4,100万ドル、ブラジルとの貿易額は54億3,900万ドルと圧倒していたが、今年第2四半期は39億500万ドルに増加した一方で28億5,400万ドルと半減している。