今年上半期の新規株式公開IPOはCOVID-19パンデミックにも関わらず、過去数か月間にブラジル企業6社が新規株式公開を実施して資金調達を行ったが、年末までに更に20社以上のブラジル企業が新規株式公開で列をなしている。
3月からCOVID-19パンデミックの影響で、ブラジル国内経済は壊滅的なダメージを被ったにも関わらず、サンパウロ証券取引所(B3)のIPOによる資金調達総額は250億レアルに達している。今年7月末までにブラジル企業6社がIPOを実施して昨年のIPO件数を上回っている。今年末までにIPOによる資金調達総額は550億レアルを突破すると予想されている。
COVID-19パンデミックによる外出自粛要請期間に新規株式を公開した企業は、Estapar社, Aura Minerals社, Ambipar社, Grupo Soma社, d1000社並びにQuero-Quero社の6社、また今月末には薬局チェーン網のPague Menos社が新規株式公開を予定している。
2007年はブラジル国内でのIPOの最後のブームで、60社に及ぶブラジルの非上場企業が新規株式公開で700億レアル近くの資金調達を達成していた経緯があった。
レンタルサーバ-を事業の柱とするLocaweb社は、COVID-19パンデミック前にサンパウロ証券取引所で新規株式公開で資金調達に成功していた。2019年のIPOによる資金調達は、900億レアルと2010年のペトロブラス石油公社の1,200億レアルに次ぐ記録となっている。
現在の政策誘導金利Selicが過去最低となる2.00%まで低下しているために、ブラジル人の多くは確定金利付き投資から投資リスクの高い投資の見直しを余儀なくされているとB3社のGilson Finkelsztain社長は指摘している。
有価証券取引委員会(CVM)にIPO承認を申請している企業は、既に20社に達して数珠つなぎの状態で,今年9月から10月中旬にかけてB3で新規株式公開を予定している。