2019年のブラジルの工業生産高は16位に後退(2020年9月4日付けエスタード紙)

全国工業連盟(CNI)の発表によると、2019年のブラジルの工業生産高は、世界全体の1.19%と2018年の1.24%から更に減少して世界ランクでは16位に後退している。

しかしブラジルの工業生産高は2014年迄常時世界のトップ10を継続していたが、2015年から2019年にかけてメキシコ、インドネシア、ロシア、台湾、トルコ並びにスペインに後塵を浴びせられている。

またブラジルの工業製品輸出も競争力の低下とともに、2019年の世界の工業製品輸出シェアは、僅か0.82%で1999年と同率で世界ランクでは30位に後退しているが、2018年の工業製品輸出シェアは0.88%であった。

「ブラジル経済並びにブラジルの工業製品競争力を高めるためには、まず初めに行政改革の実施、その後は早急な税制改革の実施が不可欠」と全国工業連盟(CNI)のRobson Braga de Andrade会長は指摘している。

ブラジルの工業製品輸出の世界マーケットシェアでの後退は、ブラジルの輸出相手国であるアルゼンチンの為替危機並びに米中貿易摩擦継続が大きな要因となっている。2019年のアルゼンチン並びに米国向けの工業製品輸出比率は全体の28.0%を占めていた。

ブラジルの工業生産高は1990年代半ば頃から世界シェアが後退開始、2014年~2016年のブラジルの経済リセッション時の鉱工業部門のGDP伸び率は、マイナス10.1%の二桁台の後退を記録していた。

ブラジルの工業製品の主要な輸出相手国である中国の2018年の工業製品輸出比率は28.85%であったが、2019年は29.67%に上昇、唯一0.82%増加した国となっている。一方ブラジルの工業製品輸出の比較では、ドイツ向け工業製品輸出は2018年の5.64%から2019年は5.42%に縮小、前期同様に日本向けは7.12%から7.01%に縮小している。

中国の工業製品輸出の世界ランクは、ドイツ、米国、日本並びに韓国に次いで世界5位に上昇。トップ5の2018年の工業製品輸出比率は世界全体の41%を占めていた。

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