Suzano社並びにEmbraer社は、海外での社債発行でそれぞれ7億5,000万ドルを調達、両社共に調達資金は運転資金や新規投資に宛がるが、今回の社債発行の償還期間は更に短くなっている。
スザノ社はブラジル企業として初めて、また世界では2番目となるグリーンボンド“green bond”とは異なる環境保全目的のサステナブル・ファイナンス・ランドスケイプ“sustainability-linked bond” を発行した。
スザノ社は2024年並びに2025年の二酸化炭素の平均排出量を2015年とに比較で10.5%削減を約束しているが、二酸化炭素の平均排出量が10.5%削減できなければ2026年から5年間連続で0.25%の金利を上乗せ義務を負っている。
スザノ社が発行した社債の債券収益率は、3.95%と同社が発行した社債では最低の金利であったにも関わらず、社債需要は発行金額の9倍に達していた。1年前に発行した社債の債券収益率は、4.06%で償還期間は今回の社債よりも1年長かった。
環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったESGを意識した長期的成長を見据えている企業への投資が注目されだしている。スザノ社では、認知度の低い今回のサステナブル・ファイナンス・ランドスケイプ“sustainability-linked bond” 発行に対するロードショーは僅か2日間であったにも拘らず、社債需要は9倍に達していた。
2019年6月にグリーンボンド発行に関するガイドラインを公表している国際資本市場協会(ICMA)は、“sustainability-linked bond”のガイドラインを公表している。
スザノ社に先駆けて“sustainability-linked bond”発行したのは、イタリア資本Enel社は2019年に世界に先駆けて発行したが、今後後続企業が増加すると予想されている。
スザノ社の社債“sustainability-linked bond”には300人の投資家が名乗りを上げた。この社債発行の幹事会社はJ.P. Morgan社 , Goldman Sachs社, Morgan Stanley社, Bank of America社, BNP社, Crédit Agricole社, MFUG社, Rabobank社, SMBC社, Scotiabank社並びにMizuho社.
COVID-19パンデミックで世界の航空業界は壊滅的な打撃を被っている影響で、Embraer社の発行社債の債券収益率はリスクが高いために7.0%を余儀なくされ、償還期間は7年。調達資金7億5,000万ドルのうち2億5,000万ドルは償還期間が短い債券の買い戻しに宛がう。償還期間が2022年のyieldは5.15%、2023年は5.695%となっている。今回の社債位発行の幹事会社はBB銀行, Bradesco BBI銀行, Morgan Stanley銀行, Natixis社並びにSantander銀行。