COVID-19は企業の収益悪化に伴ってM&Aを促す(2020年9月24日付けヴァロール紙)

マッケンジー大学のサンパウロ証券取引所(B3)の上場企業347社対象の調査によると、COVID-19パンデミックの影響で、上場企業の売上減少に伴う決算悪化に伴って、今後短期並びに中期の合併や買収(M&A) が増加すると予想している。

またCOVID-19パンデミック、レアル通貨に対するドル高の為替並びに過去最低の政策誘導金利(Selic)は、今年3月から今後12か月間に3,000社が民事再生法を申請する可能性があり、更にM&A件数が増加するとコンサルタント会社Alvarez & Marsal社は指摘している。

今年下半期の企業の買収・合併案件は上半期と比較して50%増加する可能性があり、M&Aオペレーション総額は、上半期の41億レアルを大幅に上回る62億レアルに達する可能性を指摘、また今後数年間もM&A軒数が増加するとAlvarez & Marsal社は予想している。

今年下半期のM&A案件向け投資は約100億レアルを見込んでおり、企業更生法申請が増加傾向の時は、経営危機や会社の運営において財務的な観点から問題のある企業のM&Aを意味する“Distressed M&A”案件が増加するとAlvarez & Marsal社法人ファイナンス担当のCarlos Priolli共営者は説明している。

2005年の企業破産法および民事再生法では、独立した一部事業の分離譲渡(UPI)での別々の会社資産の売却を規定しており、UPIは回収中の企業が相次ぐ負債を負うことなく、第三者に資産を売却すること可能であり、A&M社では今年3月から今後12ヶ月間に2,500件から3,000件の企業再生法の申請を見込んでいる。 

数値をただ単に見比べても単位が異なる場合は比較検討が難しが、データ群を標準化することで並列に比較検討が可能になるZ-scoreが1.8以下であれば企業倒産の可能性が高くなる。

米国エコノミストのEdward I. Altmanのモデルでは、2019年12月の上場企業347社の平均Z-scoreはマイナス0.49、今年第1四半期のZ-scoreはマイナス1.23、第2四半期のZ-scoreはマイナス1.56となっている。

Souza, Mello e Torres弁護士事務所のClóvis Torresパートナーは、COVID-19パンデミックで病院部門、教育部門並びにテクノロジー部門などは、ブラジル国内での統合過程で企業買収業務部門にとって非常に魅力的であると強調している。

2021年のブラジル国内のM&A Investment Scoreインデックス指数は、2020年よりも18.06%上昇予想で世界の10指に入るが、中国から部品サプライヤーが先を争って逃避している東南アジア諸国のM&Aの大幅増加が予想されている。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=47646