中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに地方政府(州政府・市町村)を合わせた連邦政府の2020年8月の財政プライマリー収支は、875億9,400万レアルの赤字を計上している。
今年8月の連邦政府の財政プライマリー収支赤字875億9,400万レアルは、COVID-19パンデミックによる記録的な歳出増加の一方で大幅な歳入減少の影響で、2002年12月の統計を取り始めて以来では最大の赤字額を記録、前年同月の財政プライマリー収支は134億4,800万レアルの赤字であった。
今年初め8か月間の連邦政府の財政プライマリー収支の累積赤字は5,713億6,700万レアルを記録して、同じく統計を取り始めて最悪の赤字を計上している。
2020年の連邦政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1,189億レアルであったにも関わらず、新型コロナウイルスのパンデミック危機に対する連邦政府の非常事態宣言(calamidade publica)で、今年の財政プライマリー収支の許容目標赤字に収める必要がなくなっている。
2019年の連邦政府の財政プライマリー収支はGDP比0.85%に相当する618億7,000万レアルを記録、過去6年間連続で赤字を記録しているが、2014年以降では最低の赤字額を記録していた。
連邦政府によるドル為替介入によるスワップ取引は公的債務の利息費用に組み込まれており、今年8月の為替介入のスワップ取引では342億8,500万レアルの損出を計上、8月の過去12か月間ではGDP比4.48%に相当する3,222億900万レアルを記録している。
2019年12月のブラジルの公共債務残高はGDP比75.8%相当の5兆5,000億レアル、今年7月の債務残高はGDP比86.5%相当の6兆2,100億レアル、8月にはGDP比88.8%に相当する6兆3,800億レアルに達して記録更新している。
COVID-19パンデミック対応で戦時予算の臨時歳出を余儀なくされている影響で、2020年のブラジルの公共債務残高は、GDP比94.0%に達すると経済省は予想している。