経済省通商局(Secex)の発表によると、2020年初め9か月間の中近東を除くアジア向け輸出比率は、全体の48.7%に相当する762億2,000万ドルに達して、輸出全体の約半分を占めるまでに上昇してきている。昨年初め9か月間のアジア向け輸出総額は、全体の40.5%から48.7%と僅か1年間で8.2%急増している。
今年初め9か月間のアジア向け輸出は、前年同期比10.9%増加した一方で、アジアからの輸入は7.7%減少して貿易収支黒字が大幅に拡大している。
今年初め9か月間のブラジルの大豆輸出の82%は中国を中心としたアジア向け、鉄鉱石の84.4%、原油の75.3%はアジア向けを記録、中国向け輸出比率は昨年同期の27.6%から34.1%と大幅に比率が上昇したが、その他のアジア向け輸出も順調に増加してきている。
今年初め9か月間の韓国向け輸出は、前年同期比6.2%増加の27億ドルを記録した一方で、日本向け輸出はマイナス23.0%、インド向け輸出もマイナス10.7%とそれぞれ二桁減少している。
東南アジア10か国で構成されるASEAN(東南アジア諸国連合)向け輸出は、これら諸国の人口の都市化への集中や生活向上による需給増加で、今年初め9か月間の輸出は18%増加の102億2,000万ドルを記録、アセアン向け輸出比率も前年同期の5.1%から6.5%に上昇、メルコスール向け輸出比率の5.6%を上回っている。
2010年初め9か月間のブラジルからのメルコスール向け輸出比率は11.02%、そのうちアルゼンチン向け輸出比率は9.7%を占めていた。
しかし2014年のアルゼンチンの経済リセッションで輸出比率は6.4%に減少した影響で、メルコスール向け輸出比率も9.0%に減少していた。2019年のアルゼンチン向け輸出比率は同国の為替危機による影響で4.5%かで縮小、メルコスール向け輸出比率6.7%に留まった。また前期同様に今年初め9か月間では3.8%、5.6%にそれぞれ減少している。
アジア向け輸出は中国向け輸出同様に第一次産品のコモディティ商品輸出が牽引。今年初め9か月間のアジア向け大豆、鉄鉱石並びに原油輸出は、全体の63.5%に相当する484億ドルを記録しているとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は指摘している。