サンパウロ州内の不動産業界企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)の発表によると、COVID-19パンデミックの影響にも関わらず、2020年9月のサンパウロ市内の住宅販売は、住宅販売並びに新規住宅販売リリース件数ともに増加している。
今年9月のサンパウロ市内の住宅販売件数は、5,147軒と記録を更新した8月比では18.9%減少したが、前年同月比では19.2%増加、9月の過去12か月間では、前年同期比12.7%増加の4万9,715軒を記録している。
9月の新規住宅販売リリース軒数は、前月比22.4%減少の6,238軒であったが、前年同月比40.4%増加、9月の過去12か月間では、1.3%増加の5万6,646軒を記録している。
ブラジル国内50都市の広告に掲載された販売価格を基準にまとめられる1平方メートル当たりの不動産価格動向を取り扱う「FipeZap」によると、2020年9月の前月比の1平方メートル当たりの住宅価格は、前月比0.53%増加と前月の0.37%増加を上回っている。今年初め9か月間の1平方メートル当たりの住宅価格は、2.31%増加してインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の1.34%上回っている。
9月の住宅販売が好調に推移している要因として、住宅購入クレジット金利の低下並びに参考金利(TR)、インフレ指数並びにポウパンサ預金の連動金利の住宅クレジット販売の多様性をサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)のBasilio Jafet会長は指摘している。
今年のサンパウロ市内の住宅販売は、昨年の4万4,735軒に達する可能性をJafet会長は指摘、また新規住宅販売リリース軒数は、記録更新した昨年の5万5,529軒には達しないと予想している。
9月末の新規アパート在庫は前月比2.9%増加の3万1,800軒、前年同月比19.1%増加している。「COVID-19パンデミック開始直後の3月並びに4月は、現在のような早期回復を予想できる人はいなかった」と「FipeZap」不動産価格担当コーディネーターのEduardo Zylberstajn氏は指摘している。
現在の不動産価格の回復の要因として、不動産需要の回復、過去最低の政策誘導金利(Selic)に伴う確定金利付き投資の減少、一般消費者へのクレジット拡大が不動産販売活性化で価格を押し上げている。
また住宅販売が好調に数している要因として、一般消費者の景況感の改善と先送りしていた住宅購入意欲の上昇で「住宅購入を希望している市民は、COVID-19パンデミックは遅かれ早かれ終息すると見込んでいる」とZylberstajn氏は説明している。