今年上半期の対内直接投資は過去3番目の最低記録(2020年10月27日付けヴァロール紙)

国連貿易開発会議(UNCTAD)の発表によると、2020年上半期のブラジルへの海外投資家による対内直接投資額は、COVID-19パンデミックのインパクトの影響を受けて180億9,800万ドルに留まって、過去3番目の低い投資額を記録している。

今年上半期の対内直接投資額180億9,800万ドルは、前年同期の348億5,700万ドルと比較して僅か48%に留まっており、経済大国の中ではイタリアの74%減少、米国の61%減少に次ぐ大幅な減少を記録している。

今年上半期の経済大国10か国のうち対内直接投資額が前年同期比を上回ったのは、ドイツの15%増加、メキシコの5.0%増加だけであった。中国は前年同期比マイナス4.0%、インドマイナス29.0%、フランスマイナス25.0%、カナダマイナス32.0%、オーストラリアはマイナス40%を記録している。経済大国10か国の対内直接投資額の平均減少率はマイナス16.0%であった。

利益の減少が予想される中、多国籍企業は、今年上半期にブラジルへの収益再投資を昨年同期の125億4,100万ドルから79%相当削減の26億3,000万ドルに削減。通常、外資系企業の海外子会社は、利益の約50%を現地に再投資している。

またエクイティファンド投資も前年同期の214億3,900万ドルから42.8%減少の122億6,200万ドルに減少している。「その他の投資」コンポーネントでは、昨年の8億7,700万米ドルから265.5%増加の32億5,000万米ドルに増加している。

国連貿易開発会議(UNCTAD)投資担当のJames Zhan理事は、ブラジルへの対内直接投資減少は、連邦公社の民営化プログラムの停滞が大きく影響していると指摘している。そのうえCOVID-19パンデミックは、ブラジルへの投資抑制効果に繋がっているにも拘らず、180億ドルの直接投資は悲観するほど悪くはないと説明している。

今年下半期のブラジルへの直接投資は、連邦政府による新規インフレ整備部門の再開で、上半期程落込まないとJames Zhan理事は予想している。

世界的に今年上半期の世界の直接投資は、前年同期比マイナス49.0%を記録、深刻な経済リセッション入りのリスクが多国籍企業の新規投資の見直しを余儀なくさせている。

今年上半期の投資をする際に法人を新しく設立して、設備や従業員の確保、チャネルの構築や顧客の確保を一から行うグリーンフィールド投資はマイナス37.0%。M&A投資はマイナス15.0%並びにインフラ整備向け投資のファイナンスパッケージは、マイナス25.0%を記録している。

今年上半期のヨーロッパの先進諸国を中心に新興国への直接投資はマイナス75.0%、北米向け直接投資はマイナス56.0%、ラテンアメリカ向けはマイナス25.0%を記録している。

東アジアにおけるCOVID-19パンデミックの相対的な封じ込めの成功は、この地域への外国からの直接投資の持続性に反映されている。Unctad では今年の世界の直接投資は前年比マイナス30%~マイナス40%、2021年はマイナス10.0%をそれぞれ予想している。

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