(Teams)アレクシス・フォンテイネ下院議員と意見交換(大使館主催 Teams)

2020年10月27日午前11時から正午まで、在ブラジル日本大使館主催でアレクシス・フォンテイネ下院議員と会議所関係者の会合が開催された。

はじめに司会も務めた山田大使より挨拶及び商工会議所が紹介され、つづいて村田会頭からの挨拶を行った。

その後、本会合ののメインテーマである日系企業が抱えるブラジル税務上の課題について、先般行われた会議所会員宛てのアンケート結果などをベースに吉田課税・通関WG長より詳しい説明が行われた。

その後、参加者間でフリーディスカッションが行われ大変に有意義な会合となった。

税制改革の見通しアレクシス下議見解:昨年末迄に終わるべき税制改革は年金改革を優先、今年前半に繰り延べ延期された。しかし突如未曾有なパンデミックに緊急対応を余儀なくされ中断に至った。緊急暫定措置法(事業者支援、給付金)の成立を優先。その後、大統領、経済大臣、下院議長3者間の不協和音が起こったのは周知の通り。リモート審議採決よりも地方選挙を優先する国会。違憲を承知で上下両院議長の再選可否の論議もあった(同下議は違憲支持表明)。優先課題である税制改革と並行して重要な行政改革の断行を強調したい。税制改革を推進加速するには官民連携によるタイムリーな陳述提言が重要である。市場保護固執コロニアリズムの弊害として商船隊更新追加税の温存がその最たる典型例だ。今こそ政治家には勇気と決断力を具えた資質が問われている。

Q(参加者):製造販売には連邦税、州税のほか市税(ISS)を全国津々浦々常に掌握必要、また他国のグループ企業に比べ税務担当者を10倍以上配置する必要がある。税制変更が頻繁、法律事務所など外注による莫大なコスト負担増(ブラジルコスト)となる。スーパーで売られている一般商品の税率は30~35%、自動車40%以上に及ぶ。低所得者層の税負担が大きい。GDPに占める税負担は37~38%に達する。税の徴収構造枠組みが消費を減退させている。3通りの税制改革案(連邦税を主とした政府案、州税市税を含む包摂案)のうち最有力案の審議進捗状況はどうか。

A(同下議): 顧客如何により値決めが出来ない代行納税制度(ST)の不合理性は大問題だ。州毎に異なるICMSに纏わる供給網での混乱・複雑化で失業者の増大に繋がっている。例えばネジ部品の用途次第でクレジット扱い或はその逆にもなる無用無意味なコントロールが多く、至る所で無駄な費用が発生している。抜本的な税制改革を必要としている。PEC45(下院案)、PEC110(上院案)、PL3887号(政府案)の比較優位を挙げるなら3案とも付加価値税(IVA)の創設をベースとしている。政府案は連邦税である社会統合計画負担金(PIS)と社会保障負担金(Cofins)の連邦税を商品サービス取引社会保障負担金(CBS)に統一する移行期の法案である。改革の完結にはPEC45の様にICMS、ISSを含むものでなければ意味がないからだ。

同下議への期待:30~40年経過後も不合理・複雑・不可解な税制が続いている。90年代後半に発効した独自の移転価格税制がブラジルコストをさらに悪化させている。経営破綻の呪縛に縛られている企業が多いのが現実だ。企業家にとって一番嫌悪なICMSを含まない税制改革は考えられない。未曾有なパンデミック下は税制改革にあたって、決して2度と訪れない絶好なチャンスだと念を押した。

参加者

ブラジル連邦議会下院
アレクシス・フォンテイネ(Alexis Fonteyne)下院議員

在ブラジル日本国大使館
山田彰大使
中野大輔経済公使
中島良太書記官

商工会議所
村田俊典 会頭(双日)
長島公一 日伯法律委員長(丸紅)
吉田幸司 課税・通関ワーキンググループ(日伯法律委員会所属)グループ長)(KPMG)
平田藤義 事務局長
イサオ・ミゾグチ  ホンダサウスアメリカ社長
マウリシオ・エンドウ KPMGパートナー
ジルセウ・サトウ 弁護士 Fator Consultoria代表 

Pdf「日系企業が抱えるブラジル税務上の課題」 課税・通関WG長:吉田幸司

PdfDesafios tributários do Brasil enfrentados pelas empresas japonesas (Grupo de Trabalho Tributário e Aduaneiro: Koji Yoshida, Presidente)

Foto: S. Kusakano / CCIJB

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=47759