10月のブラジル政府の財政プライマリー収支は、29億5,300万レアルの黒字計上(2020年11月30日付けヴァロール紙)

中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに州政府並びに市町村で構成される地方政府を合わせたブラジル政府の2020年10月の財政プライマリー収支は、29億5,300万レアルの黒字を計上、前年同月の財政プライマリー収支は、135億1,300万レアルの赤字を計上していた。

今年10月のブラジル政府の財政プライマリー収支黒字は、COVID-19パンデミックの影響が表れる前の今年1月に計上した562億7,500万レアルの黒字以来8か月ぶりの黒字を記録している。

今年初め10か月間のブラジル政府の財政プライマリー収支は、COVID-19パンデミック対応の非常事態宣言(calamidade publica)による大幅な財政支出を余儀なくされたために、GDP比9.13%に相当する6,329億7,300万レアルの赤字を計上。9月の財政プライマリー収支赤字はGDP比9.08%から更に0.5%増加している。

今年10月の中央政府の財政プライマリー収支は、32億1,000万レアルの赤字を計上したが、地方政府の財政プライマリー収支は、51億6,400万レアルの黒字を計上、ブラジルの公社だけの財政プライマリー収支は、9億9,800万レアルの黒字を計上していた。

2020年の中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1,189億レアルに設定されていたにもかかわらず、新型コロナウイルスのパンデミック危機に対する連邦政府の非常事態宣言(calamidade publica)で、今年の財政プライマリー収支の許容目標赤字に収める必要がなくなっていた経緯があった。

今年10月のインフレ指数を考慮しない名目財政プライマリー収支は、309億2,400万レアルの赤字を計上したが、前年同月の108億8,500万レアルの約3倍の赤字幅に膨張している。また10月の過去12か月間の名目財政プライマリー収支は、9,194億4,600万レアルと前年同期の3,375億6,400万レアルを5,000億レアル以上上回っている。

今年10月の過去12か月間の財政プライマリー収支赤字は、GDP比13.73%に相当する1兆110億レアルに達し、2002年から統計を取り始めて初めて1兆レアルを突破している。今年10月の過去12か月間の財政プライマリー収支の累計利払いは、GDP比4.65%に相当する3,492億3,700万レアルに達している。

ブラジル政府の9月の対内債務残高は、GDP比61.4%に相当する4兆4,350億レアルであったが、10月の対内債務残高はGDP比61.2%の4兆4,320億レアルと30億レアル減少している。

中銀の発表によると、今年9月の総債務残高はGDP比90.5%に相当する6兆5,330億レアル、10月はGDP比90.7%に相当する6兆5,740億レアルに達している。

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