ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2020年第3四半期のGDP伸び率は前四半期比7.7%増加したものの予想の8.8%を大きく下回った。しかし統計を取り始めた1996年以降では、最高のGDP伸び率を記録したにも拘らず、COVID-19パンデミックの影響による損出分を補うには不十分となっている。
今年第3四半期のGDP伸び率は前四半期比7.7%増加、部門別内訳では、農畜産部門のGDP伸び率はマイナス0.5%、鉱工業部門は14.8%、サービス業部門マイナス6.3%、FBCF部門は11.0%、一般家庭消費部門7.6%、政府支出部門のGDP伸び率は3.5%であった。
今年初め9か月間のGDP伸び率は前年同期比マイナス5.0%を記録したために、2017年と同じ水準に留まっている。第3四半期の国内総生産は1兆9,000億レアルであった。
第3四半期のGDP伸び率が7.7%増加に達した要因として、ブラジル国民の6,000万人が恩恵を受けたCOVID-19パンデミック対応の緊急救済策など一連の補助金制度導入並びに外出自粛政策の緩和による過去最高レベルの小売販売、鉱工業部門生産がCOVID-19パンデミック前のレベルに達したことなどが牽引している。今年第2四半期のGDP伸び率は前四半期比ではマイナス9.6%に落ち込んでいた。
Valor Data社の金融機関やコンサルタント会社の39社対象の第2四半期のGDP伸び率調査によると、最低予想は7.2%増加、最高予想は9.5%増加、平均予想は8.8%とIBGEの調査結果のGDP伸び率7.7%を大幅に上回っていた。
2020年第3四半期のブラジルのGDP伸び率は前四半期比7.7%増加、第3四半期のGDP伸び率は前年同四期比マイナス3.9%、過去12か月間の累計ではマイナス3.4%、第3四半期の国内総生産は1兆9,000億レアルであった。
前期同様に農畜産部門のGDP伸び率はマイナ0.5%、0.4%、1.8%、1055億レアル、鉱工業部門は14.85、マイナス0.9%、マイナス3.5%、3540億レアルを記録している。
また前期同様にサービス業部門は6.3%、マイナス4.8%、マイナス3.5%、1兆2,000億レアル、民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)は11.0%、マイナス7.8%、マイナス4.0%、3063億レアルであった。
第3四半期の一般家庭の消費部門のGDP伸び率は7.6%、マイナス6.0%、マイナス4.1%、1兆2,000億レアル、政府支出部門は3.5%、マイナス5.3%、マイナス3.7%、3,712億レアルであった。