ブラジル電気電子工業会(Abinee)の予想によると、2020年の電気電子業界のインフレ指数を差引いた実質売上は、前年比1.0%微増の1,734億レアルに留まると予想、一方生産者物価指数(IPP)は12.0%が見込まれている。
電気電子業界はCOVID-19パンデミックによるオンライン販売増加した一方で、外出自粛や必需品以外の営業自粛で実店舗の売上は大幅に減少。またレアル通貨に対するドル為替の高騰による輸入部品の減少や物流ロディスティック問題などの要因で、コンポーネント不足の問題が発生していた。
今年の電気電子業界の生産は前年比2.0%減少が見込まれており、また生産向け設備稼働率も前年の78.0%から75.0%に減少すると業界関係者は予想している。
ブラジル電気電子工業会(Abinee)は、今年5月は世界的なCOVID-19パンデミックによる影響で、世界中の航空便減少による物流問題発生で、アジアからの電子部品の供給不足が発生していた経緯があった。
電気電子業界は、COVID-19パンデミック当初は最も打撃を受けていた業界の一つであったが、電子部品の最大のサプライヤーである中国がパンデミックから抜け出したにも拘らず、ドル高の為替によるフライト代の高騰が発生していたが、漸くアジアからの部品供給が正常化してきているとAbinee工業会のHumberto Barbato会長は指摘している。
今年11月上旬に加盟企業80社対象の調査によると、調査対象の85%の企業は、ドル高の為替の影響でコンポーネントコスト上昇を指摘、また56%は銅製品やPVCの様なプラスティック製品、44%は包装用段ボール箱不足、35%はアジア製コンポーネント不足、26%はカーボン鋼の不足を指摘している。
ブラジルの国内消費は、今年の電気電子製品輸出の21%減少の44億ドルを緩和する効果となっており、また電気電子製品輸入は前年比10.0%減少の289億ドル、今年の電気電子製品の貿易収支は、前年比8.0%減少の245億ドルに留まると予想されている。
ブラジル電気電子工業会(Abinee)の調査によると、調査対象の75%は2021年の業界売上は増加すると楽観的な予想、22%は今年並みと予想。来年早々にCOVID-19ワクチンの接種開始で、来年の第1四半期にはCOVID-19前に戻るとBarbato会長は楽観的に見ている。
2021年のGDP伸び率が3.0%増加、インフレ指数が3.3%と仮定すれば、電気電子業界の実質売上は前年比7.0%増加の1,940億レアル、また生産量は3.0%増加、雇用は3.0%増加の24万9,500人を見込んでいる。