COVID-19パンデミックの影響で、今年3月並びに4月のブラジル経済は、外出自粛や必需品以外の営業活動や生産活動自粛要請で大幅に落ち込んでいたが、5月から6か月連続で回復してきている。
2020年10月のGDP伸び率の先行指標となる中銀発表の経済活動指数(IBC-Br)は、前月比0.86%増加したが、9月のIBC-Br指数の1.68%の伸び率から大幅に減速している。
今年初め10か月間の累積IBC-Br指数は4.92%の大幅増加、10月の過去12か月間の累積IBC-Br指数も3.93%と大幅増加で、経済の回復傾向を示している。
中銀の発表によると、今年10月の経済活動指数は、今年9月の135.59ポイントから136.75ポイントに上昇したが、COVID-19パンデミック前の今年2月の140.07ポイントを下回っている。
今年10月の経済活動指数139.37ポイントは前年同月比マイナス2.61%。今年のブラジルのGDP伸び率は、マイナス5.0%が予想されているが、今週16日の四半期インフレレポートでの見直しが予定されている。14日の中銀の最終フォーカスレポートでは、今年のGDP伸び率は、前回予想のマイナス4.40%からマイナス4.41%と僅かに下方修正している。
BNP Paribas Asset Management社のチーフエコノミストのTatiana Pinheiro氏は、今年7月~9月の四半期のIBC-Br指数は8.43%であったが、8月~10月の四半期のIBC-Br指数は、6.50%と約2.0%減少して回復リズムの減速傾向となっている。
9月からの月額600レアルから半額の300レアルへの緊急補助金(auxílio emergencial)支給変更による国内消費の減速に伴って、今年第4四半期のIBC-Br指数は、前四半期比1.0%~2.0%増加に留まると予想されている。
エコノミストは今年第4四半期のGDP伸び率を1.5%増加と第3四半期の7.7%から大幅減少で今年のGDP伸び率はマイナス4.5%、2021年のGDP伸び率は3.0%増加予想となっている。