JICA・環境委員会共催によるオンライン「SDGsセミナー」は、2021年2月26日午前9時から10時30分まで130人が参加して開催、司会は環境委員会の市川鉄彦副委員長が務め、初めにセミナー開催挨拶でJICAブラジル事務所の江口雅之所長は、SDGsの目的、CRSとの違い、SDGsは誰一人取り残さない平和な社会の実現、SDGsの達成には企業の取組が不可欠と説明した。
続いて門屋篤典次長が「JICAのSDGsにおける取組」について、17ゴール、169ターゲットで構成される持続可能な開発目標(SDGs)、ターゲット例、SDGsを巡る日本・海外の取組状況、ブラジルのSDGs達成状況として、世界ランク53位、達成率72.7%、課題は保健福祉、経済成長、不平等の是正を挙げた。また日本政府の対応、ブラジル政府の対応、JICAのSDGs達成に向けたアクションでは民間とのパートナーシップの7例を挙げて説明した。質疑応答では住み続けられる町づくりとして、水事業・気候変動などに対するJICAの取組。SDGsに関するJICAが重要視して項目、今後の注視分野。JICAのSDGsの取組指標並びにJICAは1970年代からセラード開発でブラジル農業の発展に大いに貢献したが、今後の農業分野でのどの様な貢献などが挙げられた。
コンサルタント部会の吉田幸司部会長は、「ブラジルESGの動向」をテーマに、初めにESGとSDGsの違い、ブラジル政府のESGへの取組として、パリ協定へのコミットメント、グリーンボンド発行、RenovaBioについて説明。日本企業のコロナ禍の思考と予測、今後の課題-ESGと気候変動。ブラジル政府のESGへの取組事例として、精米企業のFumacense社の籾殻活用のバイオマス発電及び灰利用。Veja Shoes社のローカスサプライチェーン活用。Meu Movel de Madeira社のサスナビリティ配慮事業。Fleury社のバイオ燃料活用。Suzano社のCo2 排出削減、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の賛同企業。Carrefour社の廃棄物管理・削減、リバースロディスティックス。RUMO社廃棄物活用のサーキュラーエコノミー、野生動物保護、CO2の排出削減について説明。質疑応答ではアマゾンの森林破壊対策。中小企業のSGD取組の意義、カーボンニュートラルの定義などが挙げられた。
閉会の辞で環境委員会の秋山雄一委員長は、130人が参加した今回のJICA ・コンサルタント部会共催セミナーの素晴らしいプレゼンが今後の企業活動に役立てればうれしいし、今後の企業活動のビジネスチャンスに繋がる可能性がある。今後の環境委員会で会員の役立つセミナー開催を積極的に実施すると説明した。
「JICAのSDGsにおける取組」JICAサンパウロ事務所の門屋篤典次長
講演動画(JICA Youtube チャンネル): https://youtu.be/jyYBsAet470