ブラジル包装紙協会(Abre)がジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)に依頼した調査によると、2020年の製造業部門生産は前年比マイナス4.6%を記録したにも関わらず、包装関連部門の生産は前年比0.5%増加を記録している。
特にプラスティック包装部門の生産が前年比6.8%と大幅に増加して牽引した一方で、段ボール箱関連部門の生産は前年比僅か1.0%微増に留まった。
2021年の包装紙関連部門の生産は、オンライン小売販売の増加やCOVID-19パンデミックによる消費者の需要増加に伴って前年比4.0%~6.6%の増加が予想されている。
COVID-19パンデミックの第2波による外出自粛要請などで多くの小売部門やサービス部門の閉鎖、並びに緊急給付金(auxílio emergencial)支給が第2四半期にずれ込むために、今年第1四半期の包装紙関連の需要は低調に推移すると見込まれている。
今年第2四半期から緊急給付金(auxílio emergencial)支給の再開による小売販売の増加、雇用や収入の回復、過去数か月間に亘って消費を控えていたの中間層のポウパンサ預金の支出増加で、今年第2四半期から包装紙関連の需要は増加すると予想されている。
COVID-19対応のワクチン接種拡大による世界経済の回復に伴い、包装関連製造に使用される原材料の樹脂、ダンボール、スチールなどの原材料コストが上昇している。
今年2月の過去12か月間のレアル通貨に対するドルの為替レート上昇で、包装関連の生産コストは29.1%上昇、特に石油化学関連の生産コストは54.9%、紙・パルプの生産コストは32.0%それぞれ大幅に増加している。為替レートの圧力があります。
.
また包装紙関連の原材料が国際コモディティ価格に連動しているために、レアル通貨に対するドルの為替上昇で、包装紙関連の小売価格への転嫁を余儀なくされている。