今年2月に国会で承認されたPEC Emergencialパーケージ(緊急憲法補足法案)並びに連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の緊急給付金(auxílio emergencial)の再支給などによる歳出増加は、財政赤字リスクに直結すると国庫庁では苦慮している。
2021年2月のインフレ指数を考慮しない名目債務残高は、前月比2.75%増加の5兆1,980億レアルに達しているが、2021年の年間ファイナンスプランでは、債務残高の許容範囲を5兆6,000億レアル~5兆9,000億レアルに設定している。
24日国庫庁の発表によると、今年2月のブラジルの対内債務残高は、前月比2.68%増加の4兆9,500億レアル、対外債務残高は、前月比4.22%増加の448億3,000万ドルであった。
今年2月の国庫庁によるブラジル国債の発行総額は1,779億7,000万レアル、ブラジル国債の償還総額は664億6,000万レアル、発行総額から償還総額を差し引いた差額は1,115億1,000万レアル、そのうち対内債務残高は1,048億7,000万レアル、対外債務残高は66億4,000万レアルそれぞれ増加している。
今年2月の過去12か月間のブラジル国債の債務比率は、ブラジル国債全体の25.94%と1月の27.10%よりも減少、平均償還期間は3.61年と1月と同率であったが、他の発展途上国の平均である4.86年を大幅に下回っている。
今年2月のブラジル国債発行のうち、確定金利付き国債発行比率は、全体の34.36%と1月の33.75%よりの若干増加、インフレ指数連動国債発行は、25.78%と1月の25.98%よりも若干減少、為替連動国債は、5.05%と1月の4.98%よりも若干増加している。
2021年度の年間ファイナンスプランでは、今年の確定金利付き国債発行比率は、全体の38.0%~42.0%、インフレ指数連動国債は、24.0%~28.0%、為替連動国債は3.0%~7.0%が見込まれている。
今年2月のブラジル国債に占める海外投資家の比率は、9.27%と1月の9.43%よりも若干減少、また海外投資家のブラジル国債残高は、1月の4,469億4,000万レアルから2月は4,670億200万レアルと200億レアル増加している。