世界的鉄鉱石需要拡大で鉱業部門の売上及び投資再開(2021年5月3日付けエスタード紙)

世界的な経済回復に伴って、世界的に鉄鉱石需要の拡大並びに鉄鉱石の国際コモディティ価格が過去最高水準に接近してきており、今年のブラジルの鉱業部門の売上は、前年比29.0%増加の2,700億レアルに達する可能性があり、小規模グループも投資再開を検討している。

記録的な鉄鉱石の国際コモディティ価格の上昇に伴って、資源大手のヴァーレ社の時価総額は、8,580億レアルに達すると金融市場関係者は見込んでいる。

世界的な鉄鉱石の国際コモディティ価格の上昇に伴って、ミナス州の鉄鉱石埋蔵地域のItabirito市並びにNova Lima市では、鉱山関連の雇用増加が進んできている。

ブラジル貿易会(AEB)では、2021年度のブラジルの鉄鉱石輸出総額は、412億ドルに達する可能性を指摘、4月末の1トン当たりの鉄鉱石の国際コモディティ価格は189ドルに達して、2008年に記録した1トン当たり196ドルの価格に接近してきている。

中期的には鉄鉱石価格は高止まりを継続すると予想されており、今年の1トン当たりの平均鉄鉱石価格は、130ドル~140ドルで推移するとブラジル鉱業協会(Ibram)では見込んでいる。

2021年~2024年の鉱業関連投資では、ブラジル国内14州の81市で92プロジェクトが予定、投資総額は380億ドルに達するとブラジル鉱業協会(Ibram)では見込んでいる。

しかしこの投資総額には、2015年に発生したミナス州マリアナ市で起きたサマルコ社の鉱山廃水ダムの堤防決壊事故による環境破壊の修復や各種の賠償金支払い並びに2019年1月25日に発生したヴァーレ社のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故対する保守や損害賠償などの支払い総額22億ドルが含まれている。

2012年~2016年のヴァーレ社のパラー州の鉱山関連目がプロジェクトの投資総額は、750億ドルに達したが、大型の鉱山開発プロジェクトは平均7年~10年を要するが、今回の中小規模の鉄鉱石開発は、2年前後と見込まれている。

中銀のフォーカスレポートでは、今年の輸出総額は2,301億ドル、貿易収支は過去最高となる590億ドルを見込んでいるが、これは経済成長に繋がらないが、外貨準備高の上昇に繋がり、また将来的なドル高の為替是正に繋がるとLCA Consultores社エコノミストの Bráulio Borges氏は指摘している。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=48348