中銀はSelic金利を前回に続き0.75%引上げて3.50%に決定(2021年5月6日付けエスタード紙)

5日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を2回連続で0.75%引上げて3.50%に決定、中銀の議事録では、次回のCopom委員会でも再度0.75%引上げて4.25%になる可能性を示唆している。

現在のブラジル経済活動の再活性化のために政策導入金利(Selic)を引上げるのは逆流になるにも関わらず、特に来年のインフレ上昇をコントロールするためにもSelic金利の引上げを余儀なくされている。

今月5日中銀は、今年末のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を5.1%に引き上げたが、今年のIPCA指数の中央目標値を3.75%を大幅に上回っており、今年のIPCA指数の許容範囲は±1.50%に相当する最低2.25%、最高5.25%には辛うじて留まっている。

2022年のIPCA指数の中央目標値は3.50%、2022年は最低2.00%、最高5.00%に設定している。2023年の中央目標値は3.25%、最低1.75%、最高4.75%が設定されている。

中銀の通貨政策委員会(Copom)がSelic金利を0.75%引上げた要因として、食料品並びに資本財の上昇以内にも石油を除いた国際コモディティ価格が継続して上昇傾向を示している。また短期的には一般家庭や法人向けの電力エネルギー料金引上げも加味している。

連邦政府と国会は、歳出上限法と財政目標以外にパンデミックcovid-19対応のための緊急歳出として、1,250億レアルの承認で合意に達しているが、中銀は連邦政府の財政バランスリスクに警告を発している。

中銀の通貨政策委員会(Copom)は、連邦政府の財政軌道を悪化させるパンデミック対応の新たな歳出拡大並びに、一向に進まない経済改革に対する不満は、将来的にはより多くのインフレ高を生み出す可能性を示唆している。

次回の通貨政策委員会(Copom)は、6月15日~16日に開催が予定されており、再度のSelic金利の0.75%引上げで、今年初めは過去最低の2.00%のSelic金利は2倍以上になるとLCA社シニアエコノミストのThais Zara氏は予想している。

一方通貨政策委員会(Copom)の議事録では、Selic金利の引上げは緩やかなカーブを描くとハト派的で穏健的な(dovish)メッセージであるとConsultoresGenial Investimentos社チーフエコノミストのJosé Márcio Camargo氏は解釈している。

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