国際コモディティ価格の上昇は貿易収支黒字を押上げる(2021年5月10日付けヴァロール紙)

鉄鉱石や石油などの国際コモディティ価格が市場関係者の予想を上回る上昇を続けており、今年の貿易黒字収支は2011年を上回る貿易収支黒字で記録更新が見込まれている。

2020年の貿易収支黒字はGDP比40%に接近していたが、2021年の貿易収支黒字は、鉄鉱石、原油や穀物などの輸出価格上昇並びにドル高の為替が牽引して、GDP比45.0%に達する可能性が見込まれている。

今年のブラジルの国内経済の回復は、COVID-19ワクチン接種の速度に比例して、外出自粛制限の緩和や所得増加に掛かっているが、高止まりしているレアル通貨に対するドル高の為替やインフレ圧力の上昇が憂慮されている。

国際コモディティ価格の上昇サイクルは、世界的なCOVID-19ワクチン接種の拡大やバイデン米大統領によるインフラ整備や気候変動対策に巨費を投じ、経済成長を加速させる総額6兆ドルに達する異例の景気刺激策の発表で、今後12か月~18ヶ月継続するとブラデスコ銀行チーフエコノミストのFernando Honorato氏は説明している。

鉄鉱石の国際コモディティ価格は短期サイクル予想だけでなく1トン当たり既に200ドルを超えたが、バイデン大統領が構築しようとするこのグリーン経済への期待による高騰の可能性もある。

ブラジルにとって、国際コモディティ価格の上昇は、輸出価格並びに輸入価格の拡大で、今年の貿易収支黒字は、昨年の510億ドルを大幅に上回る740億ドルに達するとInter社では予想している。

今年4月の貿易収支黒字は、国際コモディティ価格が高騰していた2011年2月を10.7%上回っており、今年4月のブラジルの輸出総額は、前年同月比50.5%増加の265億ドルで1997年から統計を取り始めて最高の輸出総額を記録している。今年の貿易収支黒字は、894億ドルをブラデスコ銀行では見込んでいる。

 

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