2016年から企業再生のために司法回復手続きを進めている国内最大手の長距離バス会社イタぺミリン社は、COVID-19パンデミックで壊滅的な打撃を受けているにも拘らず、果敢に航空業界に新規参入を発表している同社は、今年6月からの運航を目指して航空機2機を入手している。
同社は今月からブラジル国内の商業航空機の運営許可を既に民間航空庁(Anac)から取得しており、フライト運営事業参入のために航空機メーカーからの商業航空機納入を開始している。
昨日イタぺミリン社は、ミナス州コンフィン空港でエアバスA320型の輸入手続きを完了後、サンパウロ州サン・ジョゼ・ドス・カンポス空港へ輸送され、塗装とカスタマイズを行う。エアバスA320型は162人乗りに改造が予定されている。
同社は、15年使用のヨーロッパメーカー製で180人乗りのジェット機を所有、今年4月に民間航空庁(Anac)の基で認証飛行を実施して飛行承認を得ている。
イタぺミリン社は既に6月からの運航を目指して、サンパウロ州リベイロン・プレット空港とペルナンブーコ州レシーフェ空港を結ぶ路線、サンパウロ州リオ・プレット空港とグアルーリョス空港を結ぶ路線、バイア州ポルト・セグーロ空港とグアルーリョス空港を結ぶ路線、サルバドール空港とグアルーリョス空港を結ぶ路線のそれぞれのスロットを確保している。
2020年2月にイタぺミリングループのSidnei Piva社長は、リージョナル路線で格安運賃を売り物のLCCへの参入を発表していたが、航空業界関係者は、LCC路線で採算をとるためにはサンパウロ市とリオ市を結ぶ「ポンチ・アエレア」と呼ばれる世界有数の便数と旅客数を持つシャトル便でないと採算が取れないと疑問視している。
また昨年2月に、アラブ首長国連邦のシェイクのAl Maktoum一族のプライベートファンドから5億ドルを投資を受けていると、サンパウロ州ジョアン・ドリア知事が率いたドバイへのビジネスミッションの後に発表されていた。