最終フォーカスレポートは、今年のGDP伸び率を3.96%に上方修正(2021年5月31日付けエスタード紙)

31日発表の中銀の最終フォーカスレポートによると、2021年のGDP伸び率は、前回予想の3.52%から3.96%と0.44%の大幅な上方修正をした一方で、2022年のGDP伸び率は、前回予想の2.30%から2.25%に下方修正している。

先進諸国のワクチン接種の進展による経済活動の活性化、国際コモディティ価格の上昇、レアル通貨に対するドル為替の減速など、3月以降のブラジルの国内景気は、予想を上回る回復となってきており、過去数日間に、今年第1四半期のGDP伸び率は上方修正されている。
 
今年第1四半期の正式なGDP伸び率は、6月1日にブラジル地理統計院(IBGE) から発表される。今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.24%から5.31%に上方修正、2022年のIPCA指数は、3.67%から3.68%に微増、2023年のIPCA指数は、前回同様3.25%の据え置かれている。

今年のIPCA指数の許容範囲は±1.50%に相当する最低2.25%、最高5.25%に設定されている。また2022年のIPCA指数の中央目標値は3.50%、2022年は最低2.00%、最高5.00%に設定している。2023年の中央目標値は3.25%、最低1.75%、最高4.75%が設定されている。各年のインフレ目標値は国家通貨審議会(CMN)によって設定されている。

住宅賃貸料並びに公共料金、健康保険プランなどの料金調整の基準となる今年5月のインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)は、4.10%と4月の1.51%から大幅に上昇、今年5月の過去12か月間のIGP-M指数は37.04%を記録している。

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の発表によると、今年5月の過去12か月間の総合物価指数 (IGPs) は、レアル通貨に対するドル為替の高騰、農畜産が牽引している卸売り価格の上昇の影響で、前回予想の16.82%から18.52%と大幅に上方修正されている。

今年末の政策導入金利(Selic)は、インフレ圧力の上昇に伴って、前回予想の5.50%から5.75%に上方修正、2022年並びに2023年のSelic金利は前回同様6.50%の据え置かれている。

5月5日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を2回連続で0.75%引上げて3.50%に決定、中銀の議事録では、次回のCopom委員会でも再度0.75%引上げて4.25%になる可能性を示唆している。

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