今年の経常収支は2007年以降で初めて黒字計上予想(2022年3月24日付ヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終四半期インフレレポート(RTI) によると、2022年のブラジルの経常収支は前回予想の210億ドルの赤字から一転して、貿易収支黒字の拡大で50億ドルの黒字収支に転じると予想、2007年から15年ぶりの黒字計上を予想している。

中銀の最終四半期インフレレポート(RTI) では、今年の経常収支のうち貿易収支黒字幅は拡大する一方で、サービス収支及び第一次所得収支は継続して赤字予想、対内直接投資は堅調に継続すると予想している。

前回の最終四半期インフレレポート(RTI) では、今年の貿易収支黒字は520億ドルの予想であったが、最終レポートでは830億ドルと310億ドルの上方修正の影響で、今年の経常収支は赤字から黒字予想に転じている。

ロシアのウクライナ侵攻の影響で、国際コモディティ商品価格が高騰しており、特に石油派生品や穀物価格の高騰が牽引して、今年のブラジルの輸出総額は、前回予想の2,760億ドルから3,280億ドルに上方修正されている。

しかしブラジルの南部地域の旱魃による大豆生産の大幅減少及びウクライナ侵攻による化学肥料の輸入減少の可能性、また鉱業部門の生産減少の可能性も指摘されている。

また今年の輸入総額も前回予想の2,250億ドルから2,450億ドルと国際コモディティ価格の上昇に伴って200億ドル上方修正、特に石油派生品及び化学肥料の国際コモディティ価格上昇で、上方修正を余儀なくされている。

今年の経常収支のうちサービス部門は、旅行収支の回復の遅れでCovid‐19パンデミック前のレベルを下回る260億ドルの赤字計上が予想されている。

第一次所得では、国際コモディティ商品価格の上昇及びでドルに対するレアル通貨高の為替で輸出企業の収益性にプラスとなる。今年の対内直接投資は、GDP比3.0%の550億ドルと昨年の水準に据置かれている。

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