国家電気システム (ONS)のジェネラルマネージャーのLuiz Carlos Ciocchi氏は、昨年下半期は、過去91年間で最悪となる水不足による危機に直面、電力コストの高い火力発電所の稼働を余儀なくされていた。
国家電気システム (ONS)の発表によると、昨年1月の貯水ダムの平均水位は23.36%であったが、旱魃の影響を受けて昨年9月には16.75%まで低下していた。昨年11月から今年3月までブラジル全国的に順調な降雨で、水力発電所の貯水ダムの平均水位は上昇、今月11日には水力発電所の貯水ダムの平均水位は71.7%に達し、2012年以降では最高の水準に達している。
ブラジル国内の水力発電所の70%を占めている南東部地域及び中西部地域の1年前の水力発電所の平均水位は、僅か35%に留まっていたが、今年は既に60%を突破している一方で、南部地域の水力発電所の平均水位は、50%前後と昨年の60%よりも低下しているが、4月に入って降雨が増加しているとCiocchi氏は楽観的に見ている。
国家電力エネルギー庁(ANNEL)は水力発電所の水位乗用に伴って、今年末まで最も電力エネルギー料金の安い緑旗に変更すると予想されているが、昨年は旱魃よる水力発電所の貯水ダムの水位低下による発電能力の低下並びにコストの高い火力発電所の稼働を余儀なくされて、赤旗の電力料金が適用されていた。
ロシアによるウクライナ侵攻で石油派製品やガス価格が上昇しているが、ブラジル国内の水力発電所の水位上昇に伴って、火力発電所の稼働の必要性がなくなるために、液化天然ガス(LNG)の輸入減少が見込まれている。