今年の鉄鋼製品輸入は内需の減少で大幅減少予想(2022年5月3日付ヴァロール紙)

上昇を続けるインフレや政策誘導金利、レアル通貨に対するドル為替のボラティリティ、ブラジル国内経済の停滞による需要減少に伴って、2022年の鉄鋼製品輸入は大幅に減少すると予想されている。

中国の主要都市のロックダウンの影響で、ブラジルへの貨物輸送は180日を要する遅延、国内経済停滞による鉄鋼製品需要減少などの要因で、今年のブラジル国内の鉄鋼製品消費は、前年比1.5%増加に留まるとブラジル鉄鋼協会(IABr)では予想している。

好調な穀物生産が牽引してトラック販売が好調を維持している一方で、特に半導体の供給問題による新車の生産減少が余儀なくされ、ブラジル国内の鉄鋼製品需要は低調に推移している。

昨年から続く建設不動産部門は好調を維持して、70平方メートルから90平方メートルの新築アパートのリリース軒数は堅調に推移しているが、今後の更なる住宅販売向けローン金利の上昇が足かせになると予想されている。

また今年の鉄鋼製品輸入の減少予想要因として、ロシアによるウクライナ侵攻、輸入鉄鋼製品の50%以上を依存している中国のCOVID-19対応のロックダウンによる中国の鉄鋼製品減産及び輸送ロティステック問題の発生を指摘している。

今年第1四半期のブラジル国内の鉄鋼製品販売は前年同期比マイナス19.7%、鉄鋼製品消費はマイナス17.7%を記録した一方で、今年3月の圧延鋼輸出は28.3%増加を記録している。

今年第1四半期の平板鋼輸入は、5.3%増加の544,800トンを記録した一方で、建設業向け棒鋼輸入は、マイナス17.1%の268,900トン、今年第1四半期の鉄鋼製品輸入はマイナス3.4%を記録している。

2021年の鉄鋼製品輸入は、前年比144.2%の大幅増加の497万トンを記録した一方で、ブラジル国内の鉄鋼製品生産は、20207月~20216月にかけてのCOVID-19パンデミックによる減産を強いられたためにマイナス12.0%を記録、今年の鉄鋼製品輸入は、国内消費の16.3%に相当する438万トンが見込まれている。

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