通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を 1.00%引上げて12.75%に決定(2022年5月4日付エスタード紙)

4日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、金融市場関係者の予想通り政策導入金利(Selic)1.00%引上げて12.75%に決定、過去5年で最高の金利水準に引き上げた。

今回の中銀の通貨政策委員会(Copom)によるSelic金利の引上げは、過去10回連続での引上げとなる。また米国連邦準備制度理事会(FRB)は、4日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催、政策金利であるフェデラル・ファンドを過去22年間で最高の0.5%引上げた。

今回のSelic金利の12.75%の引上げは、20172月の13.0%以降では最高水準となり、Selic金利はインフレ圧力抑制のために20213月の通貨政策委員会(Copom)による引上げサイクル開始から10回連続となり、1999年に中銀が一挙に20%引上げて以来の引上げサイクルを記録している。

中銀の基本金利の上昇は銀行金利の上昇に反映するが、中銀のSelic金利決定からクレジット部門などへの経済効果には6か月から9か月間の遅延がある。 Selic金利の上昇は、一般国民の消費と製造部門向け投資にブレーキをかけて悪影響を及ぼす。

今年3月に開催されたCopom 会議の議事録では、5月のCopom会議での1.00%のSelic金利引き上げを暗示していた。また5月でのSelic金利の引上げサイクルの終焉を示唆していた経緯があった。

ブラジル国内でのインフレ圧力の継続及びロシアによるウクライナ侵攻などの海外の不透明なボラティリティ要因で、次回6月に開催されるCopom会議でも継続して、Selic金利の0.5%の引上げの可能性を金融市場関係者は予想している。

今回のSelic金利12.75%はインフレ指数を差引いた実質金利6.69%となり、再び世界最高金利に復帰した。ブラジルに次いでコロンビアの実質金利は3.86%、3位にはメキシコの3.59%となっている。

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