中銀は今年の経常収支を40億ドルの黒字から一転して470億ドルの赤字に修正(2022年9月29日付けヴァロール紙)

29日のブラジル中央銀行の9月のインフレレポート(RI)によると、2022年のブラジルの経常収支は、前回発表のGDP比0.2%に相当する40億ドルの黒字から貿易収支の悪化予想の影響を受けて、GDP比2.5%に相当する470億ドルの赤字の修正を余儀なくされている。

また2023年のブラジルの経常収支は、前回予想よりも若干改善されてGDP比1.8%の360億ドルの赤字予想に変更している一方で、海外投資家による対内直接投資は下方修正している。

今年の経常収支がGDP比2.5%に相当する470億ドルの赤字に修正された要因として、今年の貿易黒字が前回予想の860億ドルの黒字から輸入金額の拡大に伴って、半分以下の420億ドルの黒字に修正された。

今年の経常収支が470億ドルの赤字に下方修正されたにも拘らず、今年の対内直接投資が前回予想の550億ドルの黒字から700億ドルの黒字に上方修正されたために、470億ドルの経常収支赤字を充分カバーできる対内直接投資残高予想となっている。

今年の対内直接投資が前回予想の550億ドルの黒字から700億ドルの黒字に上方修正された要因として、国内経済の回復及び企業の収益改善、Covid-19対応のワクチン接種拡大などの要因で、電力エネルギー分野、テクノロジー分野及び石油・天然ガス分野を中心に投資需要が回復してきている。

主に今年上半期の燃料及び中間財の国際コモディティ商品の価格高騰及び国内経済の回復に伴って中間財などの輸入増加で、今年の貿易収支のうち輸入総額は、前回予想の2,570億ドルから2,890億ドルと420億ドルも上方修正されたために、今年の経常収支予想は黒字から大幅な赤字に転落している。

最近の穀物や鉄鉱石などのブラジルの主力輸出商品の国際コモディティ商品価格の減少に伴って、今年の貿易収支のうち輸出総額は、前回予想の3420億ドルから3,310億ドルに下方修正されている。

また今年の経常収支のうちサービス収支赤字は国際旅行収支及び輸送サービス収支の悪化に伴って、前回予想の260億ドルから290億ドルに下方修正、第一次所得収支は、前回予想の590億ドルの赤字から630億ドルの赤字、ファイナンス収支は70億ドルから90億ドルの赤字に下方修正されている。

2023年の貿易収支は、前回予想の420億ドルから540億ドルの黒字に上昇修正された一方で、対内直接投資は、前回予想の750億ドルの黒字から700億ドルの黒字に下方修正されている。

 

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