現在の国内便エアーチケット代は、Covid‐19パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻、石油の国際コモディティ価格の高騰などの要因で、航空会社のコスト上昇に伴ってCovid‐19パンデミック前の約2倍に高騰しているために、ブラジル人は旅行の先送りへの変更や旅行代の安価なバスなどの交通手段の選択を余儀なくされている。
またCovid‐19パンデミックで2年以上も旅行停止を余儀なくされていたために、搭乗率が80%以上に達する航空便の需要拡大に対応するために、航空会社は新航路の開発まで行って需要の対応を余儀なくされているが、需給のアンバランスはいつまで継続するか不透明となっている。
Kayakサイトのエアーチケット価格調査によると、サンパウロ-リオ間の平均往復のインフレ指数を差引いた実質航空運賃は、Covid‐19パンデミック前よりも11.59%高い640レアル、サンパウロ-ブラジリア間は30.79%高い794レアル、サンパウロ-ポルト・アレグレは42.27%高い1063レアルとなっている。
コンサルタント会社Bain & Company社の共営者で業界スペシャリストのAndré Castellini氏は、中期的には航空業界にとっては利益の出ない良くないシナリオになっていると指摘している。
2020年1月から今年7月までの航空機用燃料ケロシン(QAV) の価格は146%高騰、この間のレアル通貨に対するドルの為替は30%増加、インフレ指数のIPCA指数は18%増加、航空会社のコストは65%を大幅に増加、Covid-19パンデミック前と同じ収益性を維持するためには、平均のエアーチケット代を65%値上げしなければならないとAndré Castellini氏は指摘している。
エアーチケット代の値上げは消費者からの絶え間ない批判の対象となっている一方で、航空会社側では、需要は引き続き旺盛で、飛行機は満席状態であるにも拘らず、航空会社の収益性をもたらすという課題では、ブラジルの航空会社の多くは依然として株式の時価総額が回復していない。