今年9月の外貨準備金は過去11年間で最低水準に低下(2022年10月25日付ヴァロール紙)

. 2022年9月のブラジルの外貨準備金は、前月比3.6%に相当する121億ドル減少の3,276億ドルまで低下、9月のブラジルの外貨準備金減少の要因として、米国政府による金融引締め政策に起因する金利の引上げで、債券の価格を引き下げ、他国の通貨に対するドルの価値が上昇している。

. 9月のブラジルの外貨準備金3,276億ドルは、2011年3月以降では最低水準を記録、1970年から統計を取り始めたブラジルの外貨準備金のピークは、2019年6月の3,881億ドルであった。

今年初め9か月間のブラジル中央銀行による外貨準備金の累計売却額は、20億ドルに留まっているために、外貨準備金の減少額は説明できないが、外貨準備金は、米国、ユーロ、円、金などの債券に海外で投資されており、パリティによる変動を扱うときは、ポートフォーリオをドル通貨で通知。 レアルに対するドル通貨が上昇すると、パリティ損失が発生すると中銀金融政策担当チーフの Fernando Rocha氏は説明している。

今年初め9か月間のブラジルの外貨準備金107億ドル減少を記録した主な要因として、大半の金融市場関係者の予想を上回る米国政府の金融引き締め政策によるドル高の為替の影響とFernando Rocha氏は指摘している。

米国政府による金利引上げは、外貨準備金の目減りだけでなく、債券の価値低下につながる。 今年初め9か月のドル高の為替に起因するブラジルの債権関連の目減りは、240 億ドルに相当とFernando Rocha氏は指摘している。

外貨準備金は中央銀行によって管理され、ソブリン債、他の通貨 (ドル、ユーロ、英ポンド、円、カナダ ドル、オーストラリア ドル) の預金、国際通貨基金 (IMF) の特別引出権、国際決済銀行(BIS)と金などの資産 、米国の預金に投資される。

ブラジルは 2004 年に外貨準備を拡大し始めましたが、ブラジルへの外国資本の流れが増加したことを考慮すると、2008 年以降は外貨準備金の増加率が上昇してきていた経緯があった。

外貨準備金はドル換算が基準で為替レートの変動に左右されるために、米国の金融政策に敏感となっている。 また金融取引所に機能不全があることを中銀が察知すると、準備金の一部を売却するなどの手段で、市場を安定させることができる。

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