2022年のブラジルの鶏肉輸出金額は約100億ドルで記録更新(2023年1月11日付けヴァロール紙)

ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)の発表によると、2022年の生鶏肉及び加工鶏肉輸出は前年比4.6%増加の482万2,000トン、鶏肉輸出金額は27.4%と二桁増加の97億6,200万ドルに達して過去の記録を更新している。

2022年12月の鶏肉輸出量前年同月比マイナス6.0%の38万6,300トンを記録したにも関わらず、カット鶏肉の単価上昇で輸出金額は9.2%増加の7億8,520万ドルを記録している。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、ヨーロッパ連合での生産コストの上昇、5大陸の高病原性鳥インフルエンザの感染拡大などの要因で、昨年のブラジルの鶏肉輸出は記録更新に繋がったとABPAのRicardo Santin会長は説明している。

2022年のブラジル国内での鳥インフルエンザ感染の報告はされておらず、世界の鶏肉供給の安全港と見なされているために、今年のブラジルの鶏肉輸出は昨年に続いて好調に推移すると予想されている。

しかしブラジルの近隣諸国にあたるコロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラで鳥インフルエンザ症例が確認されているため、鳥ウイルスがブラジルで感染する恐れがあり、ブラジルは既に感染防止措置の採用を余儀なくされている。

ブラジルにとって牛肉や豚肉輸出同様に、中国は引き続きブラジルの鶏肉の主要な輸出先であり、昨年の中国への鶏肉輸出は前年比マイナス15.6%の54万500トンに留まった一方で、 しかし2 位の輸出先であるアラブ首長国連邦への鶏肉輸出は14.2%増加の14.2%の44万4,900トンと二桁台の増加を記録している。

今年のブラジルの鶏肉輸出は前年比8.5%増加の520万トン、鶏肉生産は35.0%増加の可能性をブラジル動物蛋白質協会(ABPA)は予想している。昨年10月の米国農務省(USDA)発表によると、今年のブラジルの鶏肉輸出は前年比4.0%増加の480万トンを見込んでいた。

ブラジルは中近東などイスラム法の定める適正な方法で処理、加工された食品であると証明された食肉輸出拡大のために、ハラール(HALAL)認証を取得しており、2023年のイスラム圏での鶏肉需要拡大を見込んでいると米国農務省(USDA)は指摘している。

2022年及び2023年の世界の主な鶏肉輸出国リスト

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=52028