ルーラ新政権は、労働者にとって記念すべきメーデーの5月1日から大統領選挙公約の現在の最大サラリー1302レアルを1320レアルの引き上げを決定した。
また低所得者層の個人所得税の免税枠拡大するために、2024 年から免除枠が最低賃金の 2 倍 に相当する2,640レアルで合意するような優先順位の指示をフェルナンド・ハダジ財務相は出している。
昨夜、最低サラリーの再調整について質問されたハダジ財務相は、「決定はル-ラ大統領次第だ」と明言を避けていた経緯があった。財務省経済チームは、すでに最低サラリー引上げによる財政へのインパクトについて調査しているにも関わらず、ルーラ大統領には詳細な調査結果は届いていない。
ルーラ大統領の補佐官は、2023年にまだ有効な支出上限に準拠するために支出を調整し、再調整に必要な財政的余裕を見つける必要があるため、発表はまだ実現に近づいていないと警告している。 財政支出上限法では、連邦政府は前年のインフレ指数を超える財政支出は出来ない。
今年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は、伸びる兆候がないために1.0%以下に留まると予想されており、貧困層の生活向上には厳しいが、ルーラ大統領は5月1日のメーデーに照準を合わせて最低サラリーの引上げ実施を模索している。
またルーラ大統領が大統領選挙中に盛んに選挙スローガンとして訴えていた個人所得税の5,000レアル迄の所得税免税をする余裕は財政がひっ迫しているために難しいが、税制改革前の実施の必要性を訴えている。
連邦政府の経費削減を伴うとしても、最低サラリーの再調整は金融市場に不信感を抱かせている。 Ryo Asset社チーフ エコノミストのGabriel Leal de Barrosパートナーは、現在の 最低サラリー1,302レアル を 1,320レアル に引上げる財政コストは、今年5 月から 12 月にかけて約 48 億レアルに達すると計算している。
ルーラ元政権時代の最低サラリーの再調整率算出方法は、前年のインフレ率と 2 年前の国内総生産 (GDP) 成長率から算出されていたが、その計算方法では現在の最低サラリーは1,302レアルを大幅に上回る1,396レアルと Luiz Marinho労働・雇用相は指摘している。