ルーラ新政権で最優先事項の税制改革は、連邦税、州政府や市町村の地方自治体の州税や市税を含む簡易税制体系を目指しているが、フェルナンド・ハダジ財務相は、Simples Nacional 及びマナウスフリーゾーン向け税制恩典プログラムは影響を受けないと強調している。
中小企業の特別納税システム「スーペル・シンプレス(Supersimples)」は、連邦政府と議会の間でプログラムを維持し、変更しない点で合意しているとハダジ財務相はBandNewsとのインタビューで説明している。
またインタビューでマナウスフリーゾーン向け税制変更について質問を受けた時、ハダジ財務相はプログラムを変更する可能性を否定、また大学促進プログラム(ProUni) やサンタ・カーザ慈善病院向けの国庫庁による補助金削減を否定するなど他のプログラムについても説明した。
今年のSimples Nacional 及びマナウスフリーゾーン向け税制恩典による免税総額は、今年の免税総額の30%に相当する1430億レアルに達する。
国庫庁の歳入増加ための税制措置は大企業に焦点を当てることを強調、商品流通サービス税(ICMS)を介して州政府によって付与された補助金を削減する可能性の終焉を再び擁護、連邦税の純益に対する社会納付金(CSLL)や個人所得税(IRPJ)について触れている。
連邦政府は、債務を清算するという選挙公約である「Desenrola」を立ち上げることができるようにするために、ソフトウェアの開発を含む運用上の問題を克服しようとしている。プロジェクトの準備は、銀行業務集中サービス会社(Serasa) などの信用分析と決定を行う企業の参加にも依存しているとハダジ財務相は説明している。
ブラジル連邦政府が、アマゾン奥地の開発を図るために1967年に設立したマナウスフリーゾーン(ZFM:Zona Franca de Manaus)では、家電並びに二輪、時計などの外資系工場の進出により、現在までブラジル経済の発展に大きく寄与している。
マナウスフリーゾーンは、特に南東部地域の製造業部門を誘致するために、魅力的な税制恩典政策を導入、2014年の憲法改正でその期限が2023年から50年間延長され、2073年までと定められていた。
ZFMの税恩典は、連邦税として輸入税(II)、工業製品税(IPI)、社会統合基金・公務員厚生年金および社会保険融資負担金(PIS/COFINS)の減免、さらには法人所得税(IRPJ)の減免、州税では商品流通サービス税(ICMS)の減免、ZFMに進出する企業が恩典を享受するには、製造する製品ごとに実質的な現地調達義務を定めた基礎製造工程(PPB)基準を満たすことが必要となっている。
しかし2009年のマナウスフリーゾーンの税制恩典比率はブラジル全体の17.1%を占めていたが、他州の零細企業に対して簡易で低率の税制体系が適用されるSIMPLES NACIONAL 適用の拡大で、2018年には8.5%まで減少している。