今年初め2か月間のM&As は前年同期比35%減少(2023年4月18日付けヴァロール紙)

PwC Brasil社の調査によると、2023年初め2か月間のブラジル国内の企業買収・合併(M&A) 件数は、国内外のマクロ経済の停滞を反映して、179件と昨年同期の274件よりも35%と大幅に減少を記録して2020年以降では最低のM&A件数に留まっている。

PwC Brasil 社のLeonardo Dell’Osoパートナーは、今年下半期のM&A件数は回復すると予想しているが、2022年のM&A件数を下回ると予想、2022年のは1,556件と2021年の1659件を100件以上下回っていた。今年のは1,100件から1,500件をLeonardo Dell’Osoパートナーは予想している。

2022年8月頃までのM&A件数は上昇傾向にあったが、8月以降は降下サイクルに転じており、世界経済の減速傾向、不透明なルーラ新政権の政治・経済の舵取り、 新規財政政策の枠組みに対する金融市場側の不信感がM&A案件を先送りしている要因となっている。

リスクの高いM&A投資を思いとどまらせる高水準の金利の高止まりで、2022 年には新規株式公開 (IPO) がまったく行われず、投資に利用できる企業のリソースが減少している。

ポートフォーリオ向け戦略投資分野は増加傾向を示しているが、金融機関のM&A投資比率は減少傾向にあり、今年の戦略的M&A投資比率は昨年の77.3%から86%に増加、一方プライベート・エクイティの年比率は昨年の22.7%から14%に減少している。

今年初め2か月間のM&A投資では、テクノロジー分野特にメディア・通信分野は46.4を占め、消費分野は16.2%、製造業・自動車分野は14.0%を占めている。

今年初め2か月間のM&A投資では、 BTG Pactual銀行は5億レアルを投資しての少数株式を取得、米国資本 Augment Infrastructure社は Órigo Energia社に2億5,000万レアルを投資、 またGGVファンド、 TriplePoint Capital社, G-Squared社 及びTiger Global社も5,000万ドルを投資している。

低調なマクロ経済環境にもかかわらず、金融sector、アグリビジネス、エネルギーセクターなどは投資レベルを維持すると予想されており、バロール社の3月の調査では、不安定な経済シナリオにも関わらず、エネルギー部門の合併と買収は依然として堅調であり、今後数か月で 250 億レアル~300 億レアルの投資が見込まれている。

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