税制改革が取り扱う消費及び所得に関連した租税の税務訴訟は総額3,220億レアル(2023年5月22日付けバロール紙)

 

税制改革の対象となる消費と所得に関連した税務訴訟と行政訴訟が、少なくとも3,220億レアル規模で存在することが、高等教育機関インスペル(Insper)の税務調査センターが初めて実施した調査で明らかになった。この金額は、751社が証券委員会(CVM)に報告した訴訟情報から明らかになった。税制改革において連邦政府は、消費関連の税制と所得関連の税制を2段階でスリム化する方針。

 

税制改革の目的のひとつとして財務省のベルナルド・アピー税制改革特別局長は、商品サービス流通税(ICMS)と社会統合計画賦課金(PIS)及び社会保障賦課金(Cofins)には中間投入財に関連して税クレジット(税額還付の権利または別の税種目に対する税額控除の権利)を発生させる法律のグレーゾーンが存在しており、この問題が税制改革における議論の重要なテーマのひとつになっているという。現行法では、ICMSの税クレジットだけでなくPIS及びCofinsに関連した税クレジットも、支払うべき税額から控除することが可能である。

 

「税制が単純化されれば、税務訴訟を引き起こす解釈の相違に関する問題は解消する」と同局長はコメント。アピー局長によると、これで不正行為がなくなるわけではなく、引き続きそうした行為は処罰されるべきであるが、税務訴訟の大部分は「極めて複雑な」ブラジル国内法の解釈が原因だという。また同局長は、現時点で財務省は所得税法の改正に取り組んでおり、同様の目的、すなわちより明快かつ法的安定性の確保に向けて、第2段階も推進していくという。

 

今回の調査では、消費に関連した税務訴訟でICMS及びその他の税務でみなし減税による税クレジットの計算処理もテーマのひとつに挙げられたが、調査主任のブレノ・ヴァスコンセーロス氏によると、この訴訟は改革が可決されると緩やかに消滅していくだろう、という。所得税関連の税務訴訟で最も多いのが、控除に関連したものである。この調査レポートに参加したタイス・シンガイ氏は、CVMに報告された税務訴訟は、財務諸表に組み入れられるリスク分析に依存しているため、おそらく過小評価されていると話す。

 

財務管理職研究所(IBEF)のメイリー・フランコ技術委員会副議長は国内の税務訴訟が減少するのは、税制改革が構造的で憲法の原則を尊重し、かつ経済部門ごとの扱いに偏りがない場合に限られるという見方を示した。

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