航空運賃の高騰を受けて2023年4月に陸上移動の出張が増加(2023年5月29日付けバロール紙)

航空運賃の値上がりを受けて、常に割高なチケットを受け入れてきた法人旅客業界においても、利用するモーダルを変更する動きが強まっている。

 

ブラジル法人観光旅行代理店協会(Abracorp)によると、4月の場合、航空チケットの販売額は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが発生する前の2019年4月の水準を2.85%下回った。営業日数の減少も影響したとAbracorpは指摘している。

 

しかし航空会社は、価格にかかわらず航空便を利用したいという市場の需要が上限に達しつつあることを示している可能性もあるとしつつも、航空会社らは四半期決算において、法人需要は引き続き堅調で第1四半期の売上はパンデミック発生前の状況を上回っているとコメントしている。

 

Abracorpのデータによると、2023年4月の1日当たりの法人向け配車パッケージの販売はパンデミック発生前の2019年4月と比較して31%増加した。売上で見ると108.13%増加して3,070万レアルに達した。この結果、法人の出張旅行に占めるレンタカーのシェアは、2.8%に上昇した。2019年4月のシェアは、1.39%だった。

 

道路旅客輸送も成長しており、4月の売上は303.46%増加して360万レアルとなった。シェアも、同様に0.08%から0.34%に拡大した。

 

反対に航空モーダルは一部の顧客を失い、売上も同様に減少している。4月の場合、法人向けに販売されたパッケージは6億6,570万レアルで、同じ期間の比較で2.85%減少した。シェアは、2019年4月の65.84%から63.41%に低下したという。ただし、2023年4月の営業日は2019年4月よりも3日少なかったことには注意が必要である。

 

Abracorpのグスタボ・タナベ氏によると一連の結果は、出張業務において、急激に値上がりした空の便の利用がレンタカーに置き換わっていることを示すもので、とりわけ、近距離の出張でその傾向が強いという。

 

なお、業界の11セグメント全体では出張ビジネスの売上は10億7,000万レアルで、パンデミックが発生する前の水準を0.87%上回ったという。「ただ、2023年4月の営業日は18日で、2019年は21日だった。この差は、最終的な数字に影響する大きなものだ」と同会長は指摘した。

 

なお、Abracorpは2023年の業界の売上について、2019年を20%上回ると予想している。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=53909