FGVが2023年5月のICIが前月比1.6ポイント減の92.9ポイントと発表 (2023年5月30日付けバロール紙)

 

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)は5月29日、2023年5月の工業信頼感指数(ICI)が前月比1.6ポイント減となる92.9ポイントにとどまったと発表した。5月を期末とする浮動四半期(3―5月期)は、2―4月期と比較して0.3ポイント上昇して93.9ポイントを記録した。この比較で上昇するのは3か月連続。

 

Ibre/FGVのエコノミスト、ステファノ・パシーニ(Stéfano Pacini)氏は、「工業部門の信頼感は、現況だけでなく今後数か月の期待感でも悪化しており、減速した。セグメント別に見た落ち込みは、耐久消費財と非耐久消費財を使用するセグメントで、需要の悪化と在庫水準の上昇が確認された。需要の冷え込みと高金利、インフレという現在の厳しい状況は、経営者らに生産の削減に向かわせ、2020年の新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック期間に確認されたのと同様、今後6か月のビジネスに対するネガティブな見通しを生じさせている」という。

 

5月の場合、調査対象となっている19のセグメントのうち13のセグメントでICIが低下した。さらにこの結果は、現況指数(ISA)だけでなく期待感指数(IE)も悪化した。5月のISAは、前月比1.7ポイント低下して91.8ポイント、IEも同様に前月比1.7ポイント低下し94.0ポイントにとどまった。

 

またISAを構成する項目の内、需要水準に対する認識が前月比2.5ポイント下落して92.4ポイントとなり、全体を押し下げた。

 

在庫水準に関する項目は、前月から1.6ポイント上昇して106.6ポイントに悪化した。これに伴い、2022年9月からニュートラルの100ポイントを上回った格好。在庫指標は、100ポイントを上回ると在庫に余剰が発生していることを意味する。

 

また全体に与える比重は小さいものの、現在のビジネス状況に関する経営者の認識を計測する項目では、前月比-0.5ポイントの90.6ポイントまで低下した。これは、2022年9月以来の低い水準となる。

 

今後の展望については、3月に大きく改善した後、2か月連続で悪化した。中でも、今後3か月の生産の見通しに関する項目が大きく悪化、前月比-4.1ポイントの96.6ポイントに下落、全体を押し下げた。

 

なお、5月の製造工業稼働率指数(NUCI)は、前月比-0.6ポイントの80.1%だった。

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