2023年4月に機械・設備業界の売上が前年同月比10.5%減の221億レアルにとどまる(2023年6月1日付けバロール紙)

 

ブラジル機械装置工業会(Abimaq)は、ブラジル国内の機械・設備販売にブレーキが掛かっている状況が2023年4月の実績から確認されたと発表した。同協会が5月31日に発表したデータによると、4月の業界の純収入は、前年同月比10.5%減の221億レアルにとどまった。3月との比較でも、19.2%の減少。ただしAbimaqによると4月は例年売上が落ち込む月であり、5月には回復に向かい、年間を通じてその傾向を維持する見込みだとしている。

 

ただ、業界の売上の80%を占める国内販売だけを見ると、業界はさらに厳しい状況に直面していたことが分かる。国内市場で計上した純収入は、4月に172億レアルで、前年同月比14.7%減、前月比では17.7%の落ち込みだった。国内生産から輸出を差し引き輸入を加えた国内見掛け消費は277億レアルで、前年同月比7.6%減、前月比では18.8%減少した。

 

同協会のクリスチーナ・ザネラ競争力及び経済統計担当理事によると機械・設備業界は、高金利と信用の収縮という経済状況に直面、打撃を受けている。他と全く異なる原理で市場が動く農業関連産業向けに加え、最低賃金の引き上げやボルサ・ファミリア(Bolsa Família:家族手当)のような社会プログラムから一定の経済波及効果の恩恵を受けた家庭消費関連あるいはサービスに関連した部門を除き、機械・設備業界は業績を好転させられずにいる。

 

ザネラ理事は、「高金利かつそれが長期に及ぶ経済政策のただ中にいる。我々は、既に利下げする余地が生じていると受け止めている。それを当局側が示唆するだけで、投資の再開を後押しするのに重要な役割を果たしてくれるだろう」と指摘する。なお、Abimaqは引き続き、2023年に業界が2.4%成長するという見方を維持している。ただ、国内市場に限定すれば、成長はわずか0.6%にとどまりそうだという。

 

Abimaqによると、月間10億ドル以上を記録してきた輸出も、4月は9億8,200万ドルにとどまった。前年同月比では9.5%の増加だが、前月との比較では20.8%もの落ち込みだという。

 

3月との比較で落ち込んだ理由についてザネラ理事は、12億5,000万ドルを記録した3月が輸出のピークだったと受け止めている。このため、「この輸出の下落傾向が今後数か月にわたって続いていくとは受け止めていない。3月に前倒しされた販売の影響が4月に出たと理解している。このため輸出は引き続き、年末まで11億ドル(※原文では110万ドル)規模を維持すると予想している」という。Abimaqは、2023年の輸出額を前年比+8.6%と予想している。

 

4月は、機械・設備の輸入も前月から16.9%落ち込んで20億ドルにとどまった。ただし、前年同月との比較では、12.1%増加した。この結果、4月に業界の貿易収支は、10億ドルの赤字を計上した。

 

機械・設備業界では、4月末時点で39万0,371人を雇用しており、前月から0.7%減少した。前年同月と比較した場合でも、業界の雇用は0.9%縮小した。

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