IBGEが2023年第1四半期のGDP成長率が前期比+1.9%と発表(2023年6月1日付けバロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)は6月1日、2023年第1四半期(1―3月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して+1.9%を記録したとする国民経済統計を発表した。

 

今回の結果は、バロール紙が72社の金融機関とコンサルティング会社から集めた事前予想の平均(+1.3%)を上回る水準。予想は、下は-0.1%、上は+2.2%だった。前年第1四半期との比較では、+4.0%の成長だった。こちらは、事前予想の平均は+3.0%、予想の下は+0.9%、上は+4.3%だった。

 

さらに今回の発表に合わせてIBGEは、2022年第4四半期のGDP成長率について、前期比-0.1%に訂正した。当初発表していた成長率は、前期比-0.2%だった。

 

生産面から見て、IBGEのレベッカ・パリス国民経済統計主任は第1四半期のGDP成長率について、農業の力強い成長と、サービス業が強い成長を維持したことが影響したと指摘した。中でも農業が+21.6%を記録したことが大きく貢献した。この業界は、ブラジル経済の8%を占める。

 

農業に対する市場の事前予想の平均は+10.3%。また前年同期との比較でも、農業のGDPは+18.8%の成長を達成、市場の予想の平均(+12.3%)を上回った。

 

パリス主任は、「2022年は気候問題が農業に悪影響を与えたが2023年は、今四半期に70%の大豆耕作地で生産量を24%以上拡大する記録的な豊作を記録した」という。さらに「大豆の収穫は、年の上半期(1―6月期)に集中する。作柄の悪かった前年第4四半期と豊作の第1四半期比較すると、農業が大きく成長したことが確認される」と付け加えた。

 

またサービス業は、第1四半期に前期比+0.6%の成長。サービス業はブラジル経済のほぼ70%を占めており、従って、この産業が成長を維持することはブラジル経済の継続的な成長に貢献する。市場の予想の平均は+0.3%。また前年同期比では+2.9%で、こちらも市場の事前予想の平均は+2.7%だった。

 

IBGEによると、サービス業の成長は主に、輸送セクターと金融活動セクターの成長によるもので、いずれも前期比+1.2%を記録した。

 

同様に生産面からは、工業が第1四半期に前期比-0.1%を記録した。こちらも、-0.3%のマイナス成長を予想していた市場の予想の平均よりも良好な結果となった。前年同期との比較では、+1.9%。こちらも平均で+1.4%だった市場の予想を上回った。

 

支出から第1四半期のGDPを見ると、民間最終消費支出が前期比+0.2%で、市場の事前予想の平均(+0.7%)を下回った。前年同期との比較では+3.5%で、こちらも同様に、市場の予想の減金である+4.0%を下回った。

 

政府最終消費支出は、第1四半期に前期比+0.3%、総固定資本形成(GFCF)は同じk比較で-3.4%だった。市場はそれぞれ、+0.2%と-1.5%と予想していた。前年同期との比較では、政府最終消費支出が+1.2%、GFCFは+0.8%を記録した。市場の予想はそれぞれ、+1.0%と+1.8%だった。

 

また第1四半期の投資は、GDP比17.7%を記録した。

 

対外面から見ると、第1四半期に輸出は前期比-0.4%、輸入は同-7.1%。市場の事前予想の平均は、それぞれ、-0.2%と-6.2%だった。(2023年6月1日付けバロール紙)

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