初め5か月間のブラジル国内のM&A案件 は年初よりも回復傾向か(2023年6月13日付けヴァロール)

今年初めの不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」など金融市場などを揺さぶっている問題で、今年初めのブラジル国内のM&A市場にも大きな影響が発生している。

2023年初め5か月間のブラジル国内のM&A案件による資金調達金額は、61億ドルに留まっており、Covid-19 パンデミック開始以降では最低の水準に留まっている。

Valor社の要請によりコンサルタント会社Dealogic社が収集したデータによると、5月までのブラジル国内のM&A案件の取引金額は僅か61億ドルに留まっており、前年同期比では73%と大幅な減少を記録している。

2020年2月末から始まったCovid-19 パンデミックの2020年初め5か月間のM&A案件の取引金額は、前年同期比67%減少の57億ドルに留まっていた。

今年初めは不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」やUnigel社などの問題発覚で、国内外の投資家はブラジル国内のM&A案件に対する投資を控えていたにも拘らず、ここにきて回復傾向を示しており、今後数カ月間での回復の見通しが表れてきており、今年のM&A案件は昨年並みの500億ドルの可能性が出てきている。

今年初め5か月間では、10億ドル規模のM&A案件が発表されたことはほとんどない。 しかし、最近発表された取引では、M&A案件がある程度回復している兆しとして実際にはブラジルの資産ではないナトゥーラ社によるイソップ社の売却と、現地子会社の資本閉鎖を決定した親会社によるEDPブラジルの株式取得(OPA)の申請、このプロセスは現在も進行中となっている。

またもう一つの主要なM&A案件取引は、Neoenergia社とシンガポール資本GIC社との間で行われ、GIC は同社の株式の 50% を 12 億レアルで取得して株主となった。

5月に重要なM&A案件となったのは、ラテンアメリカ地域におけるLiberty社の事業を保険会社HDIに約70億レアルで売却している。

またもう一つ重要なM&A案件として、アラブ系政府ファンドSalicによるBRF社への投資であるが、まだM&Aは成立していない。また今年年内には最大のM&A案件とみなされているCoelce社の売却で80億ドルが見込まれている。

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