5月の世界の粗鋼生産は中国の減産で5.1%減少(2023年6月21日付けヴァロール紙)

世界63カ国が加盟するベルギーのブリュッセルに本部がある世界鉄鋼協会(WSA)の発表によると、2023年5月の世界の粗鋼生産は、中国の粗鋼減産の影響が響いて前年同月比5.1%減少の1億6,160万トンに留まっている。

今年初め5か月間の多くの産業用途で圧延製品に加工される粗鋼の世界生産は、前年同期比1.2%減少の7億8,600万トンに留まっている。

今年5月の世界の粗鋼生産の56%を占める中国の粗鋼生産は、前年同月比7.3%減少の9,010万トンに留まっている。一方今年初め5か月間の中国の累積粗鋼生産は、前年同期比1.6%増加の4億4,460万トンを記録している。

現在の粗鋼生産が継続すれば、今年の中国の粗鋼生産は、Covid-19パンデミックの2020年の10億5,000万トンを上回る10億7,000万トンに達する可能性が指摘されている。

粗鋼生産の原材料となる鉄鉱石生産市場関係者は、世界の粗鋼需要は中国ではなく、特にヨーロッパや米国の需要減少を指摘している。

今年初め5か月間のヨーロッパ連合およびその他の地域諸国、北米、南米の鉄鋼生産が3.6%から16.3%の範囲で減少していると世界鉄鋼協会(WSA)は説明している。

世界ランキングのトップ10のうち、2位のインドの5月の粗鋼生産は4.1%増加、5か月間では5.7%増加したが、日本と米国はそれぞれ5.2%と2.3%減少している。 また5月のブラジルの粗鋼生産は5.5%減少、今年初め5か月間では8.8%減少している。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=54142