今年上半期のスタートアップ企業のM&Aは低迷(2023年7月23日付けヴァロール紙)

ブラジルの低迷するマクロ経済シナリオに対する企業やベンチャーキャピタリストの慎重さを反映して、2023年上半期のスタートアップ企業に対するが合併・買収M&Aペースは勢いを失っている。

スタートアップ企業に対するM&A資金が限られているため、企業は事業拡大に慎重になっており、近年に比べて合併や買収の数が減少していると、オープンイノベーションプラットフォームDistritoのリサーチリーダーのEduardo Fuentes氏は説明している。

今年上半期のブラジル国内のスタートアップ関連のM&A案件成立は前年同期比48,7%減少の61件に留まっている。7月17日までのスタートアップ関連のM&A案件は63件となっている。

Valor社のビジネス Web サイトである Pipeline では、この合併交渉には追加資本なしの株式交換が含まれていた。 Open Co.の共同創設者兼最高執行責任者であるラファエル・ペレイラ氏は、プラットフォームをゼロから構築することなく、事業計画を加速するチャンス到来と説明している。

ブラジル国内の銀行金利が高止まりしてM&A案件は減少しているにも拘らず、フィンテックサービス関連のM&A案件として、6月にはフィンテック企業BizCapitalと Open Co (元Geru)が合併している。

クレジットフィンテックの影響で、小売業や決済手段を扱う新興企業もM&Aの動きで目立っている、とRGSパートナーズのパートナーでM&Aの財務顧問を務めるジョナサン・キム氏は説明している。最近のM&A例としては、6 月に Totvs が販売ソフトウェアのサプライヤーである Exact Sales を 5,100 万レアルで買収したことを挙げている。

今年上半期のブラジル国内のフィンテック関連の合併・買収件数は僅か8件と昨年同期の25件から大幅に減少。またスタートアップ企業の買収案件に占めるフィンテックスの割合は昨年上半期の21%から今年上半期は12,7%と大幅に減少している。

健康関連スタートアップ(ヘルステック)、アグリビジネス(アグリテック)、教育(エドテック)を含む交渉も現時点では依然として魅力的であり、Covid-19 パンデミックの影響で合併または買収されたヘルステック企業の数は2018年の5社から2022年には27社に急増し、その取引額は100万ドルから1億1,400万ドルに増加している。

専門ウェブサイト Crunchbase によると、今年第 1 四半期に世界全体でベンチャーキャピタルファンドの支援を受けた企業とのM&A交渉件数は 491 件と、前年同期の 711 件よりも大幅に減少している。

 

 

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