2022年の人口動態調査によると、ブラジル国内の65歳以上の高齢者比率は10.9%と全国的に比率が上昇傾向を示している。また2022年の高齢者だけの家庭の比率は10.45%、高齢者を含む家庭の比率は10.49%、高齢者及び高齢者を含む家庭の比率は20.94%とブラジル人口の5分の1に達しているとFGV SocialのMarcelo Neri理事は説明している。
2022年の人口動態調査結果では、2 つの相補的なセクションが注目を集めている。 1 つは、同居家族、つまり複数世代がいる大家族は家庭収入が高く、AB クラスの割合が高い傾向にあることが判明している。数世代が同居するいわゆる大家族では、年金・恩給受給の影響で高齢者の収入が増加し、結果的に家族の収入に有利になっている。
高齢者と同居している家庭は貧困家庭の比率が高い州で比率が高い傾向があり、特に北東部地域及び北部地域で顕著となっている。
ブラジルでは年金・恩給受給者及び非正規雇用者、社会保障院(INSS)の審査待ちの勤労不可能な高齢者や障害者に対する最低賃金額を支給する継続扶助(Benefício de Prestação Continuada–BPC)の高齢者が主に貧困家庭の稼ぎ手になる傾向があるが、その一方で介護政策は進んでいないとブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)担当エコノミストは説明している。
ブラジルの人口に占める年金・恩給受給者に相当する高齢者の割合が明らかな増加の一方で、雇用がますます不安定になる中、若年層には当てはまらない生涯収入を得ることができており、結果的に貧困層では高齢者への経済的依存が増大してきていると経済省応用経済調査院(Ipea)の調査員のAna Amélia Camarano氏は指摘している。
富裕層に相当するA/Bクラスの高齢者比率は15.06%、Cクラスは12,87%、Dクラスは4.74%、最貧困層のEクラスでは僅かに2.5%に留まっている。
また高齢者だけの家庭の比率調査では、富裕層に相当するA/Bクラスの比率は9,91%、Cクラスは12,17%、Dクラスは9,37%、Eクラスは3,43%となっている。
高齢者と同居している家族比率調査では、ピアウイ州は13.68%でトップ、続いてセアラー州13.52%、北大河州12.80%、州都の比較ではテレジーナ市は17.88%、ベレン市17.67%、マナウス市は16.79%であった。
今年第2四半期のブラジルの平均家庭収入は2921レアル、最も低いのはピアウイ州の2289レアル、北大河州2131レアル、アマゾナス州は2202レアル、北東部地域は1986レアル、北部地域は2316レアルであった。