2023 年のブラジルのセメント販売は前年比マイナス1,7% と2 年連続で前年割れ(2024年1月9日付けヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2023年のブラジル国内のセメント販売は、前年同月比マイナス1,7% と2 年連続で前年割れを記録している。

2023年のブラジル国内のセメント販売は、前年同月比マイナス1,7%に相当する6,200万トンは2011年のセメント販売の水準まで落ち込んでいると全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna会長は憂慮している。

2022年のブラジルのセメント販売は前年比マイナス2,8%、昨年はマイナス1,7%と2 年連続で前年割れを記録したが、昨年初めの全国セメント工業組合(SNIC)の予想は前年比1%増加を見込んでいたが、昨年下半期の予想はマイナス1%~2%に下方修正していた。

昨年のセメント販売量6,200万トンは、2011年のセメント販売の水準まで落ち込んでいるが、過去最高の販売量は、2014年に記録した7,190万トンよりも1,000万トンも少ない販売量まで落ち込んでいる。

2004年~2014年のブラジル国内のセメント業界は新規セメント生産工場の建設ラッシュに沸いていたが、今ではブラジル国内の平均設備稼働率は僅か34%に留まっている。

昨年12月のブラジル国内のセメント販売は前年同月比0,3%微増の450万トン、1日当たりの平均販売量は、前月比マイナス16,2%に相当する19万9,900トンまで落ち込んでいた。

昨年の地域別セメント販売比較では、北東部地域が0,4%微増で唯一増加を記録した一方で、南部地域はマイナス4,5%、中西部地域はマイナス3,2%、北部地域はマイナス2,1%、南東部地域はマイナス0,4%であった。

昨年のブラジル国内のセメント販売減少要因として、二桁台に留まっている政策誘導金利Selic、一般家庭の負債増加、高止まりするインフレ指数による実質賃金の減少などセメント需要を阻害する要因を形成していたと全国セメント工業組合(SNIC)では指摘している。

2024年のブラジルのセメント販売は前年比2%増加を全国セメント工業組合(SNIC)では見込んでいるが、2022年以降のセメント販売落ち込みを三分の一の回復に留まると予想している。

銀行金利の減少及び大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムの加速で、2024年~2026年はブラジル国内のセメント業界の回復を全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna会長は期待している。

 

 

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