2024年1月末のサンパウロ証券取引所の上場企業数は2021 年6月以降では最低の445 社まで減少(2024年2月14日付けヴァロール紙)

2024年1月末のサンパウロ証券取引所B3の上場企業数は2021 年6月以降では最低の445 社まで減少している。

また2021年8月に製薬会社Viveo社が新規株式上場IPOの最後となり、約2年半の期間全くサンパウロ証券取引所B3における新規株式上場が行われていないために、過去20年間で最低のIPO数まで落ち込んでいる。

株式市場に新規参入する企業がいない上に、いくつかの企業がB3から撤退しており、さまざまな理由で上場廃止になること一因として、定期的に証券取引委員会(CVM)に提出する書類の不送付やその他の問題によりCVMから登録を取り消された企業も多いが、上場停止を目的に公募増資(OPA)を実施した企業もある。

例えば、ブラデスコ銀行とブラジル銀行によって上場廃止となるCielo社のケースがこれに該当する。サフラ銀行によるアルファ複合企業の買収で、アルファ投資銀行、アルファファイナンス社、アルファホールディングス社並びにアルファコンソーシアム社が上場廃止を余儀なくされていた。

2024年1月末のサンパウロ証券取引所の上場企業数は前月比0.2%減少に相当する445社、前年同月比では0.7%減少、過去最低の上場企業数であった2021年6月末は439社、過去最高の上場企業数は2021年12月の463社であった。

サンパウロ証券取引所の上場企業数の減少の一方で、個人投資家数はNubankのBDRプログラム変更により昨年8月に減少した後、再び増加傾向を示しており、今年1月末の個人投資家数は500万人を突破している。

2024年のブラジル国内の港湾ターミナル入札では120億レアルの資金調達予想(2024年2月14日付けヴァロール紙)

インフラ省国家水上輸送庁(Antaq)の発表によると、2024年のブラジル国内の港湾ターミナル入札は19件が予定されており、入札による資金調達総額は117 億レアルに達する可能性を Eduardo Neryジェネラルダイレクターは説明している。

このプロジェクトには、連邦政府が主導する16件の投資予定総額82億レアルと、パラナ州政府主導のパラナグア港湾ターミナルの3件の投資予定総額35億レアルの入札が含まれている。

港湾や空港を管轄する担当省は、2026年までに合計35件の入札と契約投資額145億レアルに達すると予想している。

今年3月には、レシフェ港の米、肥料、大豆、トウモロコシ、麦芽を扱う4つの港湾ターミナルの競売が予定されており、投資額は5,980万レアルと見込まれており、またサントス港のコンテナターミナルSTS33も工事が行われる予定で投資総額は3,670万レアルが見込まれている。

主要な港湾ターミナル入札は8月に予定されており、最も期待されているプロジェクトはリオ州イタグアイ港湾ターミナル入札の鉱物バルクターミナルで、27億3,000万レアルが予定されている。サンタ・カタリーナ州イタジャイ港のリース案件の投資額は28億7000万レアル。そしてパラナグア(PR)アクセスチャンネル入札では、10億レアル以上の投資が見込まれている。

このパラナグア港湾ターミナル入札は、船舶が通過するターミナルへのアクセス水路の深化と浚渫の維持を含むサービスが提供されるこのモデルにおける他の入札案件の参考となるため、注目を集めている。 「これらは、港へのアクセスを深くし、将来維持し、より深い喫水の船舶を存続可能にするための非常に重要な投資」とEduardo Neryジェネラルダイレクターは説明している。

パラナグア港湾ターミナル向け運河浚渫プロジェクトは、サントス港やリオグランデ港など、他の運河浚渫プロジェクトの出発点となるとABTP(ブラジル港湾ターミナル協会)の理事長兼会長のJesualdo Silva氏は指摘している。

サンタ・カタリーナ州イタジャイ港湾ターミナル入札も、その規模だけでなく、 2022年末にAPMターミナル(マースク)との契約が終了した後、移行契約を巡る紛争のさなか、同港は1年間事実上停止状態にあった。

            2024年のブラジル国内の港湾ターミナル入札予定

 

今年初めてのコンサルタント部会開催

今年初めてのコンサルタント部会(天野義仁部会長)オンライン懇談会は2024年2月14日午後2時から3時にまで7人が参加して開催、進行役は天野義仁部会長が務めた。

初めに昨年のコンサルタント部会の活動実績の説明に続いて、今年度のコンサルタント部会の活動方針を説明。3月13日開催予定の部会長フォーラム向け発表資料作成では、移転価格税制改正、ICMS税還付審査の迅速化、間接税及び直接税、消費財輸入から現地生産への方向転換、中南米地域への進出、中南米進出企業の統計やビジネス動向、メキシコの製造拠点としての重要性の向上、ブラジルでの新ビジネス向け法制度改正、ソフト産業に強い日本企業のチャンス、メルコスール関連EPAなどについて意見交換を行った。

参加者リスト

KPMG  天野氏
KPMG      Henry Murata氏
個人会員 平田氏
TMI 柏氏
Global Link Consultoria Ltda. マリオ・サト氏
ジェトロ・サンパウロ  松平氏
ジェトロ・サンパウロ  中山氏

2024年1月のインフレ指数は0.42%と予想を上回る上昇率を記録(2024年2月8日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表の2024年1月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は0.42%増加を記録、2023年1月のIPCA指数0,53%を下回っている。

Valor Data社が38社の金融機関及びコンサルタント会社対象の調査によると、最低予想は0,27%、最高予想は0,60%、平均予想は0,36%と0.42%を若干下回っている。

今年1月の過去12カ月間の累計IPCA指数は、4.51%と前月の昨年12月の4.62%を下回っている。Valor Data社が38社の金融機関及びコンサルタント会社対象の調査によると、最低予想は4.35%、最高予想は4.69%、平均予想は4.44%と4,51%を若干下回っている。

ブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予想として先行して発表、1最低サラリーから40最低サラリーの所得層を対象に調査、ブラジリア連邦直轄地とゴイアニア市の地方自治体に加えて、9大都市圏を対象に調査されている。

インフレ率は、今年1月のIPCA指数を構成する項目全体での上昇幅の割合を維持した。価格が上昇した商品や活動の割合を測定するいわゆる拡散指数は、先月は65.3%にとどまり、昨年12月と同じ割合だったが、昨年4月の66.0%以降では最高の拡散指数を記録している。

しかし、最も不安定なグループの1つと考えられている食品グループを除くと、この指標は価格上昇幅が63.6%から65.1%へと拡大し、これもIPCAバスケットの67.5%にインフレが広がった昨年4月以来の上昇を示している。

2023年1月~2024年1月までの月間IPCA指数の推移

2023年1月~2024年1月までの各種IPCA指数の推移(青色は中央目標値、赤色は上限値、碧は過去12カ月間の月間累計IPCA指数

 

 

2024年1月のセクター別IPCA指数

今年初めての食品部会開催

食品部会(尾崎英之部会長)は、2024年2月8日午後4時から6時まで16人が参加してハイブリッド形式の食品部会を開催、進行役は尾崎英之部会長が務めた。

初めに昨年の食品部会の活動実績の説明に続いて、今年度の食品部会の活動方針を説明。3月開催予定の部会長フォーラム向け発表資料作成で多岐に亘って意見交換を行った。

 

尾崎英之部会長

2024年1月の新車生産は前年同月比同率の15万3,000台(2024年2月8日付けヴァロール紙)

8日の全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、2024年のトラックやバスを含む新車生産台数は、前年同月比同率の15万3,000台を記録している。

ブラジル国内の自動車メーカーの今年1月の自動車生産率の停滞は主に海外での需要減少が起因しており、 今年1月の輸出台数は前年同月比43%減少の1万9,000台に留まっており、主にアルゼンチン、チリ、コロンビアへの新車輸出の不振が牽引している。

ブラジル国内の自動車業界は、特にアジアの自動車メーカーとの激しい競争に直面し続けており、かつてブラジルの自動車メーカーが主な車両供給源として存在していたこの地域全体で起こっている。

全国自動車工業会(Anfavea)も、ブラジル市場における輸入自動車の急激な拡大に不満を抱いており、全国自動車工業会(Anfavea)によれば、ブラジル国内で販売される新車10 台のうち2 台が輸入車となっている。

しかし、輸入車の大半はブラジルに進出している自動車メーカー自身によってもたらされたもので、輸入車全体の46%をアルゼンチンから輸入されている。また全国自動車工業会(Anfavea)によれば、輸入車の25%は中国から輸入されている。

今年1月にブラジルに輸入された自動車のうち、輸入車全体の14%が電気自動車、19%がハイブリッド車を記録してい電動自動車関連の比率が急上昇してきている。

異業種交流委員会の渡辺優二委員長並びに長野昌幸副委員長が訪問

写真左からToshifumi Murata, Yuji Watanabe e Masayuki Nagano

異業種交流委員会の渡辺優二委員長並びに長野昌幸副委員長が2024年2月7日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典事務局長と今後の異業種交流委員会によるセミナーなどによる会議所活動活性化について意見交換を行った。

2023年第4四半期の業務・会計監査開催

2023年第4四半期の業務・会計監査は2024年2月7日午前11時から開催。監事会から二宮正人監事会議長 (Advocacia Masato Ninomiyaはリモート参加、天野ウーゴ監事 (BDO Brazil)、財務委員会から木阪明彦委員長(Banco MUFG Brasil S.A.) 、石川裕巳副委員長(丸紅ブラジル)が対面参加、事務局から2023年第4四半期及び通年の現金預金並びに有形固定資産、収入、支出などの財務諸表とその詳細、入会・退会状況、会費延滞状況などについて説明。それに対する監事会側からの質問やアドバイスなど受けた。最後に監事会は、「2023年第3四半期の会議所の業務遂行と会計処理は適正であったこと」を承認した。

業務・会計監査は慣例に従い各四半期を締めた後3ヶ月おきに開催され、事務局からは村田俊典事務局長、日下野成次総務担当、上田エレーナ会計担当、久場アレッシャンドレ会計担当補佐が対面参加した。

2023年12月のブラジルの財政プライマリー収支は1,295億7,300万レアルの赤字計上(2024年2月7日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2023年12月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに州政府と市町村で構成される地方政府を合わせたブラジルの財政プライマリー収支は1,295億7,300万レアルの赤字計上、2022年12月のブラジルの財政プライマリー収支は118億1,300万レアルの赤字であった。

ブラジル政府の財政プライマリー収支にはペトロブラス石油公社(Petrobras)、ブラジル中央電力公社(Eletrobras)、ブラジル銀行(BB)及び連邦貯蓄金庫(Caixa)などの公立銀行の決算は含まれていない。

昨年12月の中央政府の財政プライマリー収支は1,275億7,400万レアルの赤字計上、地方政府の財政プライマリー収も191億4,300万レアルの赤字を計上した一方で、公社の財政プライマリー収支は9億4,200万レアルの黒字を計上している。

2023年のブラジルの財政プライマリー収支はGDP比2,29%に相当する2,491億2,400万レアルの赤字を計上した一方で、2022年のブラジルの財政プライマリー収支はGDP比1,25%の黒字を計上していた。

支払利息を含め、2023年12月のブラジルのインフレ指数を差引かない名目財政プライマリー収支は1,934億3,000万レアルの赤字であったが、2022年12月のブラジルの名目財政プライマリー収支は708億2,100万レアルの赤字であった。

2023年のブラジルのインフレ指数を差引かない名目財政プライマリー収支はGDP比8,9% に相当する9,674億1,700万レアルに対して、2022年のブラジルの名目財政プライマリー収支はGDP比4,57%であった。

また2023年の利払総額はGDP比6,61% に相当する7,182億9,400万レアルに対して、2022年の利払総額はGDP比5,82%であった。このデータには、ペトロブラスおよびエレトロブラス グループの企業は含まれていない。統計は非金融公共部門に関するものであるため、国営銀行もこの勘定には含まれていない。

2023年末のブラジル政府の債務残高は前月比 0,5 増加、前年同月比2,7増加のGDP比74,3%に相当する8兆790億レアルを記録している。

2023年12月の一般小売販売は前月比マイナス1,3%、2023年は前年比1,7%増加(2024年2月7日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

7日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2023年12月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は前月比マイナス1,3%、2023年は前年比1,7%増加を記録している。2022年は前年比1,0%増加を記録していた。

2023年第1四半期の一般小売販売量は前四半期比1,8%増加、第2四半期は0,1%増加、第3四半期は0.7%増加、 第4四半期はマイナス0.4%を記録していた。

また2023年第1四半期の広範囲小売販売量は前四半期比2.9%増加、第2四半期はマイナス0,8%、第3四半期は0.4%増加、 第4四半期は0.4%増加を記録していた。

昨年12月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売は前月比マイナス1,1%、2023年の広範囲小売販売は前年比2.4%増加を記録している。

昨年12月の前月比の一般小売販売量のセクター別比較では調査対象の8セクターのうち6セクターでマイナスを記録、事務用品・情報通信機器セクターは-13,1%、家具・家電セクターは-7,0%、日用品・個人消費セクターは-3,8、繊維・衣類・履物セクターは-3,5%、書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは-2,3%、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは-0,5%とそれぞれマイナスを記録している。

昨年12月の前月比の一般小売販売量のセクター別比較でプラスを記録したセクターは燃料・潤滑油セクターで1,5%増加、ハイパー・スーパーマーケット・食品・飲料・嗜好品セクターは0,8%増加を記録している。

昨年12月の前月比の自動車及び建材を含む広範囲小売販売のセクター別比較では、四輪・二輪・パーツセクターはマイナス4,5%、建材セクターもマイナス0,4%を記録している。

2023年1月~12月の月間小売販売量の推移

2014年12月以降の同月の一般小売販売の増減推移

2023年10月~12月の前月比、前年同月比、昨年の累計、過去12月間の累計一般小売販売・広範囲販売の増減推移