電力エネルギー料金が最も家計を圧迫する要因(2022年11月21日付けヴァロール紙)

ブラジル電力エネルギー商業協会(Abraceel)の電力エネルギー消費調査によると、調査対象の10人のうち8人は、電力エネルギーの相次ぐ値上げに対して過去12か月間で、電力エネルギー消費削減を余儀なくされていると調査結果が出ている。

この調査は、ブラジル国内5地域の130都市の1088人の市民を対象に今年7月に実施されたが、10月の大統領選を考慮して、調査結果発表は大統領選挙が終了した11月まで延ばされていた。

調査対象の85%は、電力エネルギー料金の支払いを抑えるために電力エネルギー消費削減に努め、また83%は電力エネルギー料金支払いが最も家計を圧迫している要因に挙げている。また大半の消費者は電力エネルギー供給会社が自由に選択できる制度改正を待っている。

鉱業エネルギー省 (MME) は、9 月末に、商業や製造業部門の高電圧消費者に対して、負荷が 500 キロワット (kW) 未満の需要家の移動を許可する条例を編集している。 10 月初旬、MME は低圧消費者による移行に関する公開協議を開始。 連邦政府の提案によると、商工業は 2026 年から自由に移動できるようになり、住宅と農村部は 2028 年から障壁がなくなる予定となっている。

誤差範囲が 2%いないのこの調査では、調査対象の72% が電気代を支払うために消費したアイテムの購入をやめ、67% が電気代を毎月の主な支出と回答している。 Datafolha がインタビューした人の 44% は、過去 12 ヶ月間に少なくとも 1 回は電気代を支払えなかったと回答している。

この調査では、調査対象の69%は、電気料金の上昇の主な原因は下院議員と上院議員であると回答。 この調査は、近年のエネルギー価格の上昇に関する消費者の見解を反映しており、電力部門のニッチ市場への補助金付与の増加や、2014 年と 2021 年のエネルギー危機を緩和するためのコストなどの要因が含まれている。

Datafolha の調査によると、回答者の 54% は市場の自由化に伴い電力料金が下がる傾向にあると考えており、22% は料金が変わらない、また20% は電力エネルギー料金は高くなると回答、 4%は無回答となっている。

最終フォーカスレポートは来年のインフレ及び金利を上方修正(2022年11月21日付けヴァロール紙)

21日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、今年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.82%から5.88%に上方修正している。

また2023年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想4.94%から5.01%に上方修正した一方で、2024年のIPCA指数は前回同様3.50%に据置いている。

今年末の政策導入金利(Selic)は前回同様13.75%の据え置いたが、2023年末のSelic金利は前回予想の11.25%から11.50%に上方修正、2024年末のSelic金利は前回同様8.00%に据え置いている。

10月末に開催された中銀の最後の通貨政策委員会(Copom)では、Selic金利は9月と同様に13.75%に据え置かれたが、12月6日及び7日に開催される次回の中銀の通貨政策委員会(Copom)でもSelic金利は、13.75%に据え置かれると予想されている。

連邦政府の今年のインフレの中央目標値3.5%、許容範囲値の±1.50%、2023年の中央目標値は3.25%、2024年の中央目標値は3.00%に設定されている。

今年のGDP伸び率は前回予想の2.77%から2.80%若干上方修正、2023年のGDP伸び率は前回同様0.70%据置、2024年のGDP伸び率は1.80%から1.70%に下方修正されている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の9月初めのGDP伸び率発表によると、2022年第2四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、1.2%増加の2兆4040億レアルと昨年第3四半期から4回連続で増加を記録している。第3四半期のGDP伸び率は12月1日の発表が予定されている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回予想のR$5.20からR$5.25に若干下方修正、2023年末はR$5.20 、2024年末は前回予想のR$5.15からR$5.20%と若干下方修正されている。

2027年迄の新規コンセッション投資は1,730億レアルに達するか(2022年11月19日付けヴァロール紙)

ブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)の調査によると、ブラジル国内のインフレ整備プロジェクト向けの2027年迄の新規コンセッション向け投資総額は1,731億レアルが見込まれている。

2027年迄の新規コンセッション向け投資総額1,731億レアルのうち962億レアルは、2019年までに入札が終了しているインフレプロジェクト向け投資の一方で、769億レアルは今後数年以内に入札が予定されている新規プロジェクト向け投資となっている。

ブラジルのボトルネックとなっているインフラ整備部門向けの2030年迄の年間平均投資額は、3,740億レアルが必要最低限とブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)の Venilton Tadini会長は指摘している。

過去 4 年間に開催されたインフラ整備向け入札はすでにプラスの影響をもたらしている。 2021 年の投資総額 1,482 億レアルに対して、2022年は前年比10%増加に相当する1,630億レアルが見込まれている。

今後数年間の新たなインフラ部門向け民間投資は、2014年の投資ピークの2,075億レアルには達しないと予想されている。

2023年1月に発足するルーラ次期政権にとって、民間部門の投資が遅れている高速道路、鉄道、港湾、空港、都市交通の分野を含む運輸および物流部門は、インフラ投資部門を牽引すると予想されている。また電力エネルギー部門及び通信部門のインフラ投資は既に民間部門が投資を行っている。

2023年のインフラ整備部門の政府及び民間部門の新規コンセッション向け投資総額は476億レアル、2024年は603億レアルをAbdibの Venilton Tadini会長は予想している。

11月の懇親昼食会開催

写真は小寺勇輝次期会頭

11月の懇親昼食会は、2022年11月18日正午から2時までチボリホテルに120人が参加して開催、司会は平田事務局長が務め、初めに特別参加者として、在サンパウロ日本国総領事館の小室千帆 首席領事、援協のSergio Okamoto氏、Japan HouseのCarlos Augusto Roza氏、REN BrasilのSeiti Iwano氏を紹介した。

村田俊典会頭は、初めに臨時理事会で承認された小寺勇輝次期会頭を紹介、自身はトータル5年9カ月の会頭就任期間では定款変更やオンラインセミナーなどの対応。Covid‐19パンデミックで長きにわたって中断していた懇親昼食会の7月からの再開。残された期間の小寺新会頭への引継ぎなどを説明した。

小寺新会頭は来年1月からの会頭の就任は、村田会頭の後任として身の引き締まる思いであるが、お世話になったブラジルに日伯関係強化で恩返しをしたいと述べた。

総領事館からの報告では、小室千帆 首席領事は「草の根・人間の安全保障」について、日本政府が実施する無償資金協力のスキームで発展途上国における経済社会開発を目的に地域住民に直接裨益する比較的小規模な事業への資金供与で対象プロジェクトは保健・医療分野。基礎教育分野、民政・環境分野。「フランカ市精神病院車椅子移送車整備計画」や「サンタナ・デ・パルナイーバ市車椅子整備施設建設計画」を紹介した。

日系銀行3行のエコノミストによるパネルディスカッションでは、木阪明彦副会頭はパネリストを紹介、モデレーターはMUFG銀行シニアエコノミストのマウリシオ・ナカホド氏、パネルディスカッションにはみずほ銀行チーフストラテジストのルシアーノ・ロスタルゴ氏、MUFG銀行シニアエコノミストのカルロス・アルマンド・ペドローゾ氏並びに三井住友銀行コーポレートバンキングおよび金融機関責任者のマルコス・カマルゴ氏が参加、テーマ「ルラ新大統領の経済政策や2023年以降の経済動向」について多岐に亘ってディスカッションを行った。

木阪明彦副会頭

ディスカッションではルーラ政権の財政政策は?、公共投資の拡大を賄うための増税のシナリオは? 税金または税率の拡大に対する中道右派の議会の支持を得るための困難な交渉の行方?。財務省と金融庁の関係のあるべき姿?提案される新しい財政ルールについての見解は?中長期的な公的会計の調整、カントリーリスクの動向?財政面がブラジル経済の最大の弱点として認め、 何がソブリン格付けの引き下げにつながる可能性?、新政権後のブラジルの格付けの見通し? ブラジルのソブリン格付けのさらなる引き下げにつながる要因?、新政権野の為替レートのボラティリティ? 世界経済減速と世界の高金利による流動性の低下?今後数年間の為替レートの見通し及び国内要因または外部要因?労働改革のいくつかの側面を覆すリスク? 構造改革や行政改革が進む見通し?どのような税制改革案の期待? 2023 年以降のインフレの見通し及びリスク要因は? 次期大統領はの中央銀行のBC の独立性の維持? 中央銀行による政策誘導金利削減サイクルの予想? 経済成長の主な原動力は? ルーラ政権のどのような産業政策への期待? ブラジルの環境政策の展望などについて意見交換された。質疑応答では税制改革の一環として関税政策の変更の可能性。新政権の経済政策のキーパーソン。Auxilio Brasilのような社会福祉関係の財政支出上限制度への影響などが挙げられた。

連絡事項では、二宮正人監事会議長は、「2022年第3四半期監査報告」について、先月理事会の財務報告をベースに事務局から2022年第3四半期の現金預金並びに有形固定資産、収入、支出などの財務諸表などについて説明を受け、業務内容を含む質疑監査を通常通り実施。監事会として、「2022年第3四半期の会議所の業務遂行と会計処理は適正であったこと」を承認した。

二宮正人監事会議長

相互啓発委員会の南誠委員長は、「2022年度忘年会(申込受付開始) とプレミア企画への景品提供のお願い」について、3年ぶりの忘年会にマジックショーやプレミアム抽選会を企画しているが、忘年会を大いに盛り上げるために景品提供を依頼した。

相互啓発委員会の南誠委員長

 

 

B3取引所の個人投資家は35.4%増加の450万人に急増(2022年11月17日付けヴァロール紙)

昨年から政策導入金利(Selic)が上昇サイクルに突入して13.75%を継続しているにも拘らず、2022年10月末のサンパウロ証券取引所(B3)の個人投資家総数は、前年同期比35.4%増加の450万人に急増している。

また10月末のサンパウロ証券取引所(B3)の個人投資家総数は、過去12か月間で33.7%と大幅な増加を記録している。

今年10月のサンパウロ証券取引所(B3)の1日当たりの株式の出来高は、前年同月比マイナス2.7%の351億8,000万レアルに縮小している。

10月末のB3取引所の個人投資家口座数は過去12カ月間で33.7%増加の540万口座、個人投資家数は35.4%増加の450万人を記録している。

また今年10月末のサンパウロ証券取引所(B3)の上場企業数は、前年同期比マイナス2.2%に相当する449社、時価総額は1年前の4兆9,000億レアルから4兆7,000億レアルに減少している。

10月末の店頭市場での債券の新規発行額は前年同期比 19.1% 増加。 債券額面総額は 5.1% 増加の5 兆 2,100 億レアルを記録している。

2年以上の就職活動をしている失業者は失業者全体の27%に達している(2022年11月17日付けヴァロール紙)

今月17日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2022年9月末の就職活動をしている946万人の失業者のうち27%に相当する257万人の失業者は2年以上に亘って就職活動をしているにも拘らず、依然として定職についていないことが判明している。

先週のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、今年第3四半期の月間平均失業率は、8.7%と第2四半期の平均失業率9.3%よりも0.6%と大幅に改善している。

2年以上に亘って就職活動をしている失業者全体の27%に相当する257万人の失業者にとっては、失業期間が延びるに従って就職が困難になる傾向があり、失業期間が1年から2年未満の失業者は、失業者全体の11.7%に相当する110万人に達している。

また失業期間が1カ月から1年未満の失業者は、失業者全体の44.5%に相当する420万8,000人となっている一方で、失業期間が1カ月未満の失業者は全体の16.6%に相当する157万3,000人となっている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、今年第3四半期の27州対象の失業者調査によると、27州の50%以上では非正規労働市場での労働が過半数を占めている。

特に非正規労働比率が高い州はパラー州は労働者人口の60.5%を占めてトップ、2位にはマラニョン州59.1%、アマゾナス州57.1%と北部地域での非正規労働の比率が非常に高い。続いてピアウイ州54.5%、バイア州53.3%、セアラー州52.2%、セルジッペ州51.4%、パライーバ州50.7%、ペルナンブーコ州は50.6%よ穂首地域に続いて非正規労働の比率が高い。

一方非正規労働の比率が低い州はサンパウロ州の30.6%、ブラジルの行政機関が集中しているブラジリア連邦直轄地は29.8%、サンタ・カタリーナ州は25.9%と最も低い比率となっている。

今年第2四半期から第3四半期にかけて非正規労働比率が減少したのはサンタ・カタリーナ州、南大河州、エスピリット・サント州、ペルナンブーコ州および北大河州の一方で、リオ州は36.5%から38.5%と増加している。

 

ペトロブラスはプロパンガス価格を5.2%値下げ(2022年11月16日付けエスタード紙)

ペトロブラス石油公社は、グループ傘下の石油製油所の家庭用プロパンガスの1キログラム当たりの現行の卸売価格3.7842レアルを3.5842レアル、0.2レアルの値上げを17日から行うと発表している。

家庭用プロパンガスの1キロ当たりの0.20レアルの値下げは、13キログラムのプロパンガス換算では2.60レアル値下げの46.59レアルの値下げに相当、低所得層にとっては支出削減の繋がる。

ペトロブラスでは、家庭用プロパンガスの値下げは標準価格の改定に伴って、同社の価格設定慣行と一致していると説明. この価格設定政策は、「価格と市場のバランスをとることを目指しているが、市場相場と為替レートの同時変動性を国内価格に転嫁することではないと同社は強調している。

国家原油庁(ANP)の11 月 6 日から 12 日までの調査では、一般家庭用の13キログラムのプロパンガスの平均販売価格はR$ 109.86 から R$ 110.42 と0.5% 値上げされていた経緯があった。

2023年1月から政権を担うルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ新大統領は、ペトロブラスに対してガソリンやディーゼルの国際同等価格政策 (PPI)を基準としない家庭用プロパンガスの価格見直しを優先している。

11 月の法律委員会月例会開催

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2022年11月16日午後4時から5時30分まで40人が参加して開催、司会はCláudio Augusto Vaz副委員長が務めた。

初めにKPMGのROBERTO ASSIS BORDINHÃO パートナーとRENAN YANEZ CATHARINO ダイレクターは、テーマ『ビジネス戦略におけるデータの力』 “O poder dos dados na estratégia das empresas”,について、続いてAbe AdvogadosのAmanda Silva Tomaz Pereira弁護士及び Filipe Santos Gomes弁護士は、テーマ『納税義務と最近の高等裁判所の判決』“A responsabilidade tributária e os recentes julgamentos dos tribunais superiores”.について講演した。

ビデオ視聴は右クリック→acesse aqui .

PDF anexos:
1. “O poder dos dados na estratégia das empresas”
2. “A responsabilidade tributária e os recentes julgamentos dos tribunais superiores”

次期政権も道路コンセッション事業継続(2022年11月16日付けヴァロール紙)

民間道路コンセッション部門は、ルーラ新政権による道路コンセッションに関する劇的な変更は見込んでいないが、新規参入グループ誘致や規制上の責任などの課題が指摘されている。

民間の高速道路コンセッション部門は、今年10月の地方統一選挙による連邦政府と州政府の新政権は、ボルソナロ現政権の道路コンセッション入札の継続を見込んでいるが、ゼネコン企業や専門家の見方では課題は異なり、新しい投資家を引き付ける入札内容への変更の可能性があるが、 もう 1 つの障害は、さまざまな未解決の規制責任を解決する必要がある。

ルーラ新政権(PT) のインフラ部門には不明確な部分もあるものの民間コンセッションは、高速道路セグメントはより統合されているため、劇的な変化が見られる可能性は低いと評価している。

連邦政府関係の高速道路コンセッションでは、投資総額が55億レアルのミナス州の国道381号線、92億レアルのミナス州及びリオ州の国道40号線、57億レアルのミナス州及びゴイアス州の国道40号線、投資総額がミナス州及びブラジリア市の国道262号線となっている。

州政府関係の高速道路コンセッションでは、官民パートナーシッププロジェクト(PPP)方式による投資総額が27億5,000万レアルに達するパラー州道PA-150線、11億3,000万レアルのペルナンブーコ州のPE-50号線、60号線及び90号線、官民パートナーシッププロジェクト(PPP)方式による34億レアルのサンパウロ市都市圏環状線の北部コンセッションなどが予定されている。