梅田元大使が会議所訪問

写真は左から影山専務理事(CIATE)、平田事務局長、梅田元大使、村田会頭、アンジェロ イシ武蔵大学教授

国外就労者情報援護センター(CIATE)のイベントに参加のため来伯中の梅田邦夫元ブラジル駐箚特命全権大使(2014年1月~2016年9月)が10日に訪問、村田会頭と平田事務局長が応対した。

梅田元大使はブラジルを後に2016年10月ベトナム駐箚特命全権大使を歴任後020年4月に外務省を退職、現在も中南米日系社会連携担当大使、外務省参与として活躍されている。

コロナ下の会議所活動および会員(特に進出企業)の推移、業界ごとのインパクト、農業生産、農牧畜研究公社(EMBRAPA)とのバイオテクノロジーとエタノールに関する対話、ブラジルの自動車政策、日伯農業食糧対話の進展、非遺伝子組み換え大豆の生産コスト、資源穀物類の輸出状況、伯露関係、ウクライナ危機のリスクおよびインパクト、伯中関係と中国からの直接投資動向、次期政権に期待される経済政策、懸案課題となっている観光ビザフリー化の進捗状況(ブラジルは19年6月から日本人に観光ビザを免除しているが、日本は未だ実現に至らず)および打開策、連邦議会における日系下議の存在感、日伯(伯日)議員連盟相互間による交流促進強化の重要性等々について率直に幅広く意見交換を行った。

最終フォーカスレポートでは今年のインフレ指数を5.74%から5.71%に下方修正(2022年10月10日付けヴァロール紙)

10日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.74%から5.71%に下方修正している。

また2023年のIPCA指数は前回同様5.00%に据置いたが、2024年のIPCA指数は前回予想の3.50%から3.47%に下方修正している。

今年末の政策導入金利(Selic)は13.75%、2023年末は11.25%、2024年末のSelic金利は8.00%にそれぞれ据え置いている。

先月の中銀の通貨政策委員会(Copom)では、Selic金利を前回同様の13.75%に据え置いて、切り上げサイクルに終止符を打ったが、依然として1999年以降では最高の金利を維持しているが、インフレ圧力が上昇すれば躊躇することなくSelic金利引き上げを通貨政策委員会(Copom)では示唆している。次回のは今月25日及び26日が予定されている。

今年のIPCAの中央目標値は3.50%、許容上限値は5.00%に設定されているものの3年連続で許容上限値突破すると予想されている。また2023年のIPCAの中央目標値は3.25%、許容範囲は1.75%~4.75%、2024年及び2025年のIPCAの中央目標値3.00%、許容範囲は1.5%~4.5%となっている。

今年のGDP伸び率は前回同様に2.70%に据え置かれたが、2023年のGDP伸び率は0.53%から0.54%に微増、2024年のGDP伸び率は前回同様1.70%に据え置かれている。

9月初めにブラジル地理統計院(IBGE)から発表された今年第2四半期のGDP伸び率は、1.2%増加と予想の0.9%増加を上回った。今年第3四半期のGDP伸び率は12月1日発表が予定されている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20 、2023年末は前回同様R$5.20%に据え置かれたが、2024年末はR$5.10からR$5.11%に微調整されている。

的中率が最も高いトップ5の今年のIPCA指数は、前回同様5.80%に据え置かれた。また2023年は5.42%、2024年のIPCA指数は3.50%それぞれ据え置かれている。また今年末のドルの為替はR$5.00 ,2023年及び2024年もR$5.00 に据え置かれている。

 

9月の一般家庭の負債及び延滞率は3ヶ月連続で記録更新(2022年10月10日付けヴァロール紙)

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の消費者の負債・返済調査によると、2022年9月の一般消費者の負債比率は、調査対象の79.3%と8月の79.0%から0.3%増加、昨年9月の74.0%から5.0%以上の大幅増加を記録している。

また今年9月の一般消費者の負債返済期間が遅れているのは8月の29.6%から30.0%に上昇、昨年9月の25.5%と比較して4.5%増加を記録、統計を取り始めた2010年初めからでは記録更新している。

今年9月の負債返済の見通しが立たない一般消費者の比率は10.7%と8月の10.8%よりも若干減少したが、昨年9月の10.3%よりも0.4%増加しており、延滞率が悪化してきている。

負債を抱えている一般消費者の85.6%は9月にクレジットカードの支払義務を擁しているが、昨年9月との比較では1.0%増加している。また今年9月に小売店舗の分割払い手帳(カルネ―)による負債は全体の19.4%と今年5月から上昇に転じている。

10月のIGP-M 指数予想は過去1年間で最低(2022年10月10日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)のインフレ調査によると、2022年10月の住宅賃貸料調整基準となるインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)予想は国際コモディティ関連の卸売価格の減少が牽引してマイナス1.01%が見込まれている。

今年10月の総合市場物価指数(IGP-M)は、9月のマイナス0.80%を下回ると予想、2021年9月に記録したマイナス1.09%以降では最低の総合市場物価指数(IGP-M)を記録すると予想されており、8月から3ヶ月連続でのマイナス予想が濃厚となっている。

現在の国際コモディティ商品の価格の下落は世界経済のペース鈍化に起因しており、すぐに終息する兆しは見えないが、石油輸出国機構 (OPEC) が世界の石油供給を削減すれば石油価格を押し上げる可能性に繋がり、燃料などの石油派生品の国内市場における価格上昇に影響を与える可能性があり、IGP-M上昇に繋がる可能性が指摘されている。

国際コモディティ商品の減少は卸売価格のデフレに繋がっており、鉄鉱石価格はマイナス8.18%、ディーゼル燃料はマイナス4.64%、粗糖マイナス4.21%、自動車用ガソリンマイナス5.07%、牛肉価格はマイナス2.93%減少している。

10 月の最初のプレビューでの IGP-M の継続的な下落は、小売業の継続的なデフレにも助けられた。 IGP-M の 30% を占める消費者物価指数 (IPC) は、9 月の最初のプレビューから 10 月の同じプレビューまで、マイナス0.24% からマイナス0.08% を記録。 小売価格を表す指標は、主に航空券の6.18%の値上がりはそれ程影響なく、それほど激しくはありませんでした。 しかし、CPI は、10 月の最初のプレビューでガソリン価格がマイナス6.54%の値下がりはIGP-M をマイナスに留まている。

今年初め9か月間の化学製品輸入金額は625億ドルに達している(2022年10月7日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2022年初め9カ月間のブラジルの化学製品の輸入金額は、前年同月比47.4%増加の625億ドルを記録している。

今年8月及び9月の化学製品の輸入量は減少しているにも関わらず、化学製品の国際コモディティ商品価格高騰した影響で、化学製品の輸入金額は大幅に増加している。

今年9月の化学製品の輸入金額は前年同月比43.3%増加の一方で、ブラジルの化学製品輸出金額は、前年同月比30.6%増加に留まったために、化学製品の貿易赤字は拡大している。

今年初め9か月間のブラジルの化学製品輸出金額は、前年同期比33.0%増加の135億ドルを記録、化学製品の貿易収支は、昨年同期の463億ドルの赤字から490億ドルの赤字に増加している。

今年5月以降の月間平均輸入金額は70億ドルを突破しており、Covid-19パンデミック以前の月間平均輸入金額の2倍に相当する金額に増加している。

ブラジルの化学工業部門が成長するためには、安価な電力エネルギーや持続可能な成長率をつける価格競争力のある原材料の国内調達、税負担の軽減など一向に改善しないブラジルコストの軽減が不可欠となっている。

 

8月の一般小売販売量は前月比マイナス0.1%(2022年10月7日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2022年8月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、前月比マイナス0.1%と3カ月連続でマイナスを記録、7月の実質一般小売販売量は、前月比マイナス0.5%を記録していた。

今年8月の実質一般小売販売量の前年同月比では1.6%増加、8月の過去12カ月間の累計一般小売販売はマイナス1.4%、今年初め8か月間の累計一般小売販売は前年同期比0.5%増加を記録している。

Valor Data社の29のコンサルタント及び金融機関対象の8月の実質一般小売販売量の前月比の調査によると、最高予想は1.4%、最低予想はマイナス1.6%、平均予想はマイナス0.5%であった。8月の実質一般小売販売量はCovid‐19パンデミック前の2020年2月の水準を1.1%上回っている。

今年8月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売量は前月比マイナス0.6%、前年同月比マイナス0.7%、7月の広範囲小売販売量は前月比マイナス0.8%を記録していた。

今年8月の実質一般小売販売量の前月比のセクター別比較では、調査対象の8セクターの内5セクターで増加を記録、特に繊維・衣類・履物セクターは13%と二桁台の増加を記録、燃料・潤滑油セクター は3.6%、書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは2.1%、家具・家電セクターは1.0%、ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターは2.0%それぞれ増加を記録している。

一方今年8月の実質一般小売販売量の前月比でマイナスを記録したセクターでは、事務用品・情報通信機器セクターは マイナス1.4%、日用雑貨・装身具類セクター はマイナス1.2%、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターはマイナス0.2%を記録している。

今年8月の広範囲小売販売のセクター別比較では、自動車セクターは4.8%増加、建材セクターはマイナス0.8%を記録している。

今年8月の一般小売販売の州別比較では、調査対象の27州のうち15州で増加を記録、特にパライーバ州は27.1%、ローライマ州3.9%、ブラジリア連邦直轄地は3.6%それぞれ増加を記録した一方で、セルジッペ州はマイナス2.2%、ロンドニア州マイナス1.9%、ペルナンブーコ州はマイナス1.7%を記録している。

 

コンゴニアス空港は国際空港への復帰の可能性(2022年10月6日付けヴァロール紙)

ブラジル国内の空港は、国際空港の認可を求めて国家民間航空監督庁(Anac)に認可申請で数珠つなぎの様相を施しているが、サンパウロ市内のコンゴニアス空港は、数年以内に南米地域の国際線の認可を受ける可能性がある。

コンゴニアス空港は、数年以内に南米地域への国際便を飛ばすインフラ整備の可能性をインフラ省国家民間航空監督庁のRonei Glanzmann長官は示唆しているが、更に遠距離の中北米地域への国際便は難しいと連邦政府のエンジニアは説明している。

ブラジル国内の各空港が運用上の安全性のレベルに繋がる空港の国際便認証の取得を国家民間航空監督庁(Anac)は奨励している。 ブラジル国内の空港では、すでに認定されている 64カ所の空港ターミナルがすべてが国際線で運用されるという意味ではない。

8月に国際便認証を受けたリオ市サントス・デュモン空港は、滑走路が短いために国際化戦略から始めるべきではないとGlanzmann長官は説明している。

国家民間航空監督庁(Anac)では、コンゴニアス空港の国際便認証は今年末までに認可される予定で、コンゴニアス空港を加えるとブラジルの国内空港の国際便認証の取得比率は92%に達する。

今年8月に実施されたコンゴニアス空港の民営化入札はスペイン資本Aena社が落札、コンセッション期間は30年間で、投資総額は33億5,000万レアルが見込まれているが、投資の大半は2027年までに行われる。

NXブラジルの藤代社長と後任の滝本社長が訪問

写真左から平田事務局長、NXブラジルの藤代社長、後任の滝本社長、村田会頭

約4年の社長職を勤め終えた藤代泰輔氏は関東甲信越ブロックフォワーディングビジネスユニット国際海運統括部長として栄転帰国する。同氏は21年1月から22年3月まで、運輸サービス部会長として会議所活動に多大に貢献した。昨日、はじめてガルリョス国際空港に第一歩を踏み入れた後任の滝本知己新社長の空気感は何処かイタリアに似ているのではとの印象を語った。

応対した村田会頭、平田事務局長とブラジルの次期政権の経済運営、国内情勢、ウクライナ危機や台湾情勢変化にともなう国際的なサプライチェーンの動向等々について意見交換を行った。

2022/23年度の穀物生産は、前年比15%増加で記録更新予想(2022年10月6日付けヴァロール紙)

国家配給公社(Conab)によると、2022/23年度の穀物生産は、作付面積の拡大及び生産性の向上が牽引して2021/22年度比15.3%の大幅増加の3億1,240万トンに達する予想で、記録を更新すると予想されている。

2022/23年度の穀物生産向け作付面積は、前年比2.9%増加の7,660万ヘクタール、1ヘクタール当たりの生産性は、12.1%と二桁台増加の4,079キログラムが見込まれている。

ブラジルの穀物栽培を牽引する今年の大豆生産は、前年比21.3%増加の1億5,240万トン、大豆向け作付面積は、3.4%増加の4,300万ヘクタールが見込まれているが、作付面積増加は牧草地及び他の穀物栽培からの転作となっている。

今年の3期作合わせたトウモロコシ生産は、12.5%増加の1億2,690万トンが見込まれているが、既に種蒔が終了している第1期作の作付面積は、収益性の高い大豆などの作物への転作及び害虫コントロールで1.5%減少が見込まれている一方で、トウモロコシの生産量は14.6%増加の2,870万トンが見込まれている。

また今年の棉生産は14.7%増加の290万トン、棉の作付け面積は1.9%増加が見込まれている。米生産は前年並みの1,080万トン、フェジョン豆も前年並みの300万トンがそれぞれ見込まれている。一方収穫が始まっている小麦生産は22%増加の940万トンが見込まれている。

今年の米及びフェジョン豆の国内消費は昨年並みが予想されているが、棉消費は2.0%増加、トウモロコシは6.2%増加、大豆消費は5.0%増加が見込まれている。

今年の小麦輸入は、昨年の630万トンかラ610万トンに減少する一方で、小麦の輸出は昨年の20万トンから一挙に270万トンの大幅増加が予想されているが、2023年8月の小麦のストックは119万トンが見込まれている。

今年の大豆輸出は22.5%増加の9,587万トンに予想の一方で、大豆油輸出は、バイオディーゼルの生産記録更新及びアルゼンチンからの輸出拡大で昨年の210万トンから180万トンの減少予想されている。今年のトウモロコシ輸出は21.6%増加の4,500万トンが見込まれている。