今年2月~4月の全ての州政府の歳入は前年同期比増加を記録(2022年6月21日付ヴァロール紙)

20日の国庫庁の発表によると、2022年2月~4月の全ての州政府の歳入総額は前年同期比増加を記録、特にリオ州政府の歳入総額は40%増加、パラー州政府の歳入総額は34%と増加を記録している。最も歳入の増加率が低かったのは南大河州政府の僅か4.0%増加、ミナス州政府は9.0%増加に留まっている。

ガソリンやディーゼル燃料、電力エネルギー、通信サービス並びに公共輸送サービスに関する州税の商品サービス流通税(ICMS)の課税率の引下げで州政府は歳入減少を余儀なくされるために、国会での連邦政府と州政府との対立が続いている。

州政府は通常、ガソリンなどの品目に商品サービス流通税(ICMS)として約25%の税率で課税しているが、先週承認された補完法プロジェクト(PLP)18は、上限課税率を17%に制限している。

各州政府では、商品サービス流通税(ICMS)の減税による影響で、各州住民の安全保障、健康、教育などの公共サービスの質の低下で危険にさらさないように、連邦政府による損失の補償として年間830億レアルを主張している。

一方今年2月~4月の州政府の支出の比較では、リオ州政府は前年同期比19.0%増加、パラー州政府の歳出は20%増加している。最も歳出が増加したのはローライマ州政府で35%増加したが、歳入は10%の増加に留まっている。

 

今年4月のブラジルのGDP伸び率は前月比0.3%増加予想(2022年6月21日付エスタード紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2022年4月のブラジルのGDP伸び率は前月比0.3%増加、前年同月比では3.6%増加を予想している。

今年4月のGDP伸び率の前月比0.3%増加は3か月連続での増加予想にも関わらず、4月のGDP伸び率は減少傾向を示しており、鉱工業部門並びに農畜産部門は引き続いて増加傾向もサービス部門は輸送セクター及び小売セクターの停滞で足踏み状態となっている。

一般家庭の消費は3ヶ月連続で増加傾向を示しているが、唯一耐久消費財セクターは金利の上昇や不透明な大統領選挙などの要因でマイナスを記録しているとジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)コーディネーターの Juliana Trece氏は指摘している。

今年2月~4月の四半期のGDP伸び率は前年同期比2.8%増加、そのうち一般家庭の消費は4.8%増加、サービスセクターは7.5%増加、非耐久消費財セクターは2.1%増加、半耐久消費財セクターは13.3%増加を記録している。

また今年2月~4月の四半期の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)セクターのGDP伸び率は、機械・装置セクターがマイナス10.7%と大幅な減少を記録したためにマイナス5.2%に留まっている。

 

Copom議事録発表後にJ.P. Morganは2023年のSelic金利を11.0%に上方修正(2022年6月21日付エスタード紙)

ブラジル中央銀行の先週開催された通貨政策委員会(Copom)の議事録の発表によると、 政策導入金利(Selic)の引下げサイクルは2023年第1四半期になると示唆されている。 J.P. Morgan銀行エコノミストは今年末のSelic金利は13.75%、2023年末のSelic金利は前回予想の9.75%から11.0%と大幅な引き上げを余儀なくされている。

今月15日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を 現行の12.75%を0.5%引上げて13.25%に決定、11回連続での引上げで過去5年半のSelic金利としては最高金利に達している。

今回の通貨政策委員会(Copom)による政策導入金利(Selic)の引上げ開始時の2021年3月のSelic金利は、過去最低の2.00%であったが、連続11回の引上げ幅は11.25%に達し、1999年以来では最高のショック療法となっている。

Copom委員会開催前の15日午后に米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を0・75%引上げを決定。1994年11月以来、27年7カ月ぶりの上げ幅で、従来の3倍。約40年ぶりとなる記録的なインフレを抑制するため、異例の金融引き締めに踏み切っている。利上げは3会合連続で、政策金利の誘導目標は1.5%~1,75%に設定している。

金融スペシャリストはまた、議事録のインフレシナリオに関連して、「タカ派」[保守的]な見方を示していると指摘している。 さらに議事録の内容が、来年のインフレ率を4%と予測して、目標に近いレベルにするというCopomの戦略に明確に言及していると指摘している。

J.P. Morgan銀行エコノミストは、今年下半期から経済リセッションに突入可能性はあるもののインフレ圧力は継続して下降サイクルに突入するのが遅れるために、8月に開催される次回の中銀のCopom会議ではSelic金利の0.5%引上げて13.75%を予想している。

 

(ZOOM)コンサルタント部会懇談会開催

コンサルタント部会(笹澤誠一部会長)のオンライン懇談会は、2022620日午後4時から5時まで14人が参加して開催、進行役は 笹澤誠一部会長が務め、825日開催のカマラフォーラムでの発表内容について意見交換。マクロ経済、スタートアップ企業への投資や出資、ESGへの投資の関心増加、コストアップ、税制改正、出張者の増加傾向、M&A、ロシアによるウクライナ侵攻に対する地政学的有利なブラジルへの投資誘致、食糧供給基地、デジタルマーケットへの関心、精密農業、大統領選挙、OECD加盟審査の問題点の見える化、ESG関連見学会、日本企業のブラジル進出誘致などが挙げられた。

参加者
笹澤氏(EY
安岡氏(Deloitte
天野氏(KPMG
三上氏(KPMG
柏氏(Cescon Barrieu
山下氏(Yacon
原所長(ジェトロサンパウロ事務所)
青木次長(JICA
酒井氏(戸田インベスチメント)
カルガノ氏(Abe Giovanini Advogados)
渡邊副領事(総領事館)
吉田調査員(総領事館)
平田事務局長(商工会議所)
大角編集担当(商工会議所)

今年第1四半期のポウパンサ預金は7四半期連続増加から一転して減少(2022年6月20日付けヴァロール紙)

経済調査院金融市場研究センター(Cemec-Fipe)の調査によると、2022年第1四半期のポウパンサ預金は、前四半期比6.1%に相当する324億レアル減少、2021年第4四半期の758億レアルの増加から一転して減少に転じている。

COVID-19パンデミック直前の2019年第1四半期からCOVID-19対応のワクチン接種拡大による社会的活動の正常化が顕著になってきた2021年第4四半期まで7四半期連続で増加を記録していたが、COVID-19パンデミックに対する不安解消による一般消費の拡大に伴って、今年第1四半期のポウパンサ預金の引出が堅調になってきている。

2022年第1四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、サービス部門のGDP伸び率が牽引して前四半期比1.0%増加を記録、前年同期比では1.7%増加、過去1年間の累計GDP伸び率は4.7%増加、今年第1四半期の国内総生産額は2兆2,000億レアルを記録している。

しかし高止まりするインフレ指数、実質賃金の減少、一般家庭の負債増加などの要因で、今後のポウパンサ預金の引き出しは継続すると金融市場関係者は予想している。

2019年第1四半期から2021年第4四半期のポウパンサ預金の預金総額は5,276億レアルを記録した一方で、今年第1四半期のポウパンサ預金はマイナス324億レアルを記録、2019年第1四半期から2022年第1四半期のポウパンサ預金の預金総額は4,971億レアルとなっている。

COVID-19パンデミック期間中のポウパンサ預金が大幅に増加した要因として、外出自粛や必需品以外の営業自粛による特にサービス部門の消費減少、COVID-19パンデミックによる先行き不安がポウパンサ預金の増加要因と経済調査院金融市場研究センター(Cemec-Fipe)コーディネーターのCarlos Antonio Rocca氏は指摘している。

 

今年5月の鶏肉輸出額は記録更新(2022年6月20日付けエスタード紙)

今年初め5か月間の化学肥料や農薬などの農畜産関連の化学品輸入金額は132億ドル、医薬品関連は63億ドルに達し、農畜産及び医薬品関連だけで化学品輸入の3分の2を占めている。

サンパウロ大学応用経済先端研究センター(Cepea-USP)の調査によると、2022年5月のブラジルの鶏肉輸出金額は、前月比14.7%増加の44億8,000万レアルと輸出金額では過去最高を更新している。また前年同月比28.9%増加している。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出金額が記録更新した要因として、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、1キロ当たりの鶏肉価格は、前月比11.7%と二桁増加の10.39レアルを記録、前年同月比では24.3%増加を記録している。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出量は、42万9,700トンと過去2番目の輸出量を記録、過去最高の鶏肉輸出量は、2018年7月の46万3,900トンと僅かに4,000トン少ない輸出量であった。

今年初め5か月間の化学肥料や農薬などの農畜産関連の化学品輸入金額は132億ドル、医薬品関連は63億ドルに達し、農畜産及び医薬品関連だけで化学品輸入の3分の2を占めている。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出が増加した一因として、ヨーロッパで最も鶏肉生産が盛んなウクライナがロシアによる侵攻の影響による鶏肉輸出の減少及び北半球の鳥インフルエンザの影響を受けていた。

今年5月の過去1年間の化学品貿易は、550億ドルの過去最高の赤字を計上(2022年6月20日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2022年5月のブラジルの化学部門の貿易収支は、輸入金額は前年同月比16.5%増加の714億ドルに対して、化学品輸出金額は13.4%増加の164億ドル、貿易収支は550億ドルの赤字を計上して記録更新している。

今年初め5か月間の化学部門の貿易収支は、前年同期比59.4%増加の235億ドルの赤字を計上、今年5月の化学部門の輸入総額は、78億ドルに達して赤字幅の拡大を招いている。

今年初め5か月間の化学肥料や農薬などの農畜産関連の化学品輸入金額は132億ドル、医薬品関連は63億ドルに達し、農畜産及び医薬品関連だけで化学品輸入の3分の2を占めている。

今年初め5か月間の化学品輸入量は、前年同期比6.5%増加の2290万トンに達して記録更新、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で世界的な輸送ロディステック問題が在庫調整の足枷となっている。一方今年初め5か月間のブラジルの化学品輸出量は、前年同期比2.6%減少の640万トンに留まっている。

17日ペトロブラスはガソリン及びディーゼル燃料価格の値上げを発表(2022年6月17日付けヴァロール紙)

17日ペトロブラス石油公社は、今月18日から同社傘下の石油製油所のガソリンの卸売価格を5.18%、ディーゼル燃料価格を14.26%それぞれ値上げすると発表した。

18日から1リットル当たりの平均ガソリン卸売価格は、現行の3.86レアルから4.06レアルに値上げされ、混合比はガソリン比率は73%、エタノール比率は27%となっている。

一方1リットル当たりの平均ディーゼル燃料卸売価格は、現行の4.91レアルから5.61レアルと大幅値上げが18日から実施される。混合比はディーゼルが90%、バイオディーゼルが10%と決められている。最後のディーゼル燃料価格の値上げは5月10日であった。

また一般家庭の台所向けプロパンガス価格は現行の価格に据置かれるが、最後のプロパンガス価格調整は4月8日に実施されたが、プロパンガス価格は5.5%値下げされていた経緯があった。

ペトロブラスでは、ガソリンやディーゼル燃料価格の値上げはあくまで世界市場における均衡のとれた価格を設定しており、石油の国際コモディティ価格やレアル通貨に対するドル為替の変動にすぐに対応しているわけではないと説明している。

2021年下半期からの世界経済の回復加速及び今年2月下旬からのロシアによるウクライナ侵攻で石油派生品の供給不足に対して需要が急増しているために、需要と供給のバランスが崩れて国際コモディティ価格のボラティリティが発生している。

従来の銀行顧客はフィンテック企業発行のクレジットカードに注目(2022年6月17日付けヴァロール紙)

従来の伝統的な銀行の顧客の三分の一は、主な銀行決済でデジタル銀行発行のクレジットカードの使用を行っているとコンサルタント会社McKinsey社の調査で判明している。

一方で、デジタル銀行の顧客の僅か19% が主な銀行決済で従来の銀行発行のクレジットカードの使用を行っているとコンサルタント会社McKinsey社の調査で判明している。

デジタル銀行発行のクレジットカード決済の昨年の選択肢調査では、銀行の手数料の無料が29%と断トツの選択肢となっているが、一昨年の調査の34%よりも減少している。またクレジットカードの限度額調査では、一昨年の 11%から昨年は13% に増加している。

キャッシュバックやマイルなどのベネフィット調査では、二年連続で14% と銀行手数料の無料に次ぐ選択肢となっているが、貧困層の顧客はマイルを貯め込む習慣がないためにマイルよりもキャッシュバックによるベネフィットを好む傾向がある。

この調査はオンライン形式で 4.023人を対象に実施、デジタル銀行発行のクレジットカードに対する一般消費者のクレジットカード利用度、習慣やモチベーションを調査している。

5月の電力エネルギー消費は前年同月比1.2%増加(2022年6月16日付けヴァロール紙)

ブラジル電力取引市場(CCEE)の統計によると、2022年5月のブラジル国内市場の電力エネルギー消費は、前年同月比1.2%増加と4カ月連続で増加を記録している。

5月の電力エネルギー消費の37%は、鉱工業部門及び大手小売販売網やショッピングセンターであり、これらの部門の電力エネルギー消費は、前年同月比約6.0%増加を記録している。

一方中小企業、商業部門及び一般家庭の電力エネルギー消費は、5月下旬の寒冷前線の影響による低温継続の影響で、マイナス1.3%を記録とブラジル電力取引市場(CCEE)の統計に表れている。

今年5月のブラジル国内の電力エネルギー供給トップの水力発電所の平均発電能力は、前年同月比11.0%増加の5万メガワットを記録、太陽光発電による電力エネルギー供給は、前年同月比53.0%増加を記録した一方で、旱魃による降雨不足解消で、5月の火力発電による電力エネルギーはマイナス37.0%を記録している。